2013年4月8日月曜日

春の光、射し込む部屋で、動かぬテレビ。

小学生の頃、学校に着いてランドセルを開けたら、

筆箱と間違えてテレビのリモコンが入ってたこと…ありますよね?

え!?ないって!?

いやでも、学生時代に携帯電話と間違えてリモコン入ってたことはあるでしょう?

こっそり鞄に戻して見なかったことにしたでしょう?

あ、どうも山田です。

昨日、部屋に居てると、いきなりピンポンが鳴って…

ドアを開けると、「暖房機器を取り換えに来ました!」って業者のおじさんが入ってきました。

それで、部屋にある暖房器具を新しいのに取り換えてくれました。

前の暖房器具は全然効かなくて、冬の間は毎晩すごい寒かったので有り難いんですが、

いかんせん替えるタイミングが悪いです。

もう春がそこまで来てて、あと数週間もすれば、

暖房機器のスイッチをONにすることもなくなるであろうこの時期に取り換えるか…。

さらに、台所にも新しく暖房機器を取り付けてくれたんですが…




これじゃ扉開けるのに邪魔でしゃあないやん。

もうちょっと位置とか考えようよ。

業者のおじさんは、ドリルやら何やらを駆使してささっと暖房機器を取り付け、

15分ほどで帰っていきました。

おじさんが帰った後、テレビでも観ようかと思ったんですが…

どこを探してもリモコンがない。

まさか…。

いや絶対あのおじさん間違えて持って帰ったやん!!

工具と間違えて持った帰ったやん!!

おい!!

絶対後で気づいて、なかったことにするやん!!

頼むわ。俺、テレビっ子やねんから!!


さてさて、そんなどこへもやることのできない悶々とした気持ちを引きずりつつ、ため息つきつつ、

スーパーへお買い物に行きました。

ちょうどシャンプーとボディソープが切れていたんで、新しいのを買いました。

僕はシャンプー、ボディソープともに「LE PETIT MARSEILLAIS(ル プチ マルセイエ)」

というメーカーのものを愛用させていただいてます。


Le Petit Marseillaisのボディソープとシャンプー

「PETIT」は「小さな、子供」の意味(※「プチトマト」の「プチ」です)、

「MARSEILLAIS」は「マルセイユの人」という意味で、

「LE PETIT MARSEILLAIS」を訳すならば、「マルセイユの坊や」ぐらいの感じでしょうか。

マルセイユはフランス南部に位置し、フランス最大の貿易港を持つフランス第2の都市ですが、

実は石鹸の街としても有名なんですね。

で、なんでこのメーカーのボディソープとシャンプーなのかって?

ただ、香りのバリエーションが豊富で、

パッケージのスタイリッシュな感じが気に入っているだけです。

良さとか特徴なんてまるでよくわかっていません。

ちなみに今回は、シャンプーは「レモンの香り」、

ボディソープは「ミルクとバニラの香り」をチョイスしました。

明日からは、頭から「レモンの匂い」、

身体からは「ミルクとバニラの香り」をむんむんさせていきたいと思います。

そんなことよりリモコン…。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年4月2日火曜日

四月馬鹿、情けをかけて、嘘と得。

この度、私、山田剛士は、FCバルセロナへ入団することが決まりました。




嘘です。

今日一日中、何の嘘をつこうか考え続けた末、

エイプリルフールが終わる30分前にようやく思いついたのがこのしょうもない嘘です。

そんなことはどうでもいいんです。

さっきね、家の横にあるホテルの前で見知らぬ黒人に声かけられました。

「すいません。ちょっといいですか?」

「なになに?」

「私、この辺の者やなくて、パリに住む者なんですけどね、

実はね、昨日終電なくしてしもうてここのホテルに泊まったんですわ。

んで、ホテル代払うたら、帰りの電車賃が足りなくってもうたんですわ。

4.8ユーロ足らないんですわ。お願いしますわ、4.8ユーロあったらいただけませんやろうか。

もうここで2時間もいてるんですけど、誰も話を聞いてくれやしませんねん。」

「ちょっと待ってや。」

僕は鞄の中をゴソゴソして、小銭を探しました。

そして、4.2ユーロを差し出しました。

「ちょっと足らへんけど。」

「いえいえありがとうございます。お礼といってはなんですけど、よかったらこれどうぞ。」

といって、7.6ユーロする映画館のチケットを2枚くれました。

得してるやん。




「情けは人の為ならず」とはまさにこのことですね。

ちなみに、「情けは人の為ならず」って言葉、

「情けをかけることは結局はその人の為にならない」という意味だと誤解しがちですが、

本当は、「人に情けをかけておくと、巡り巡って結局は自分の為になる」という意味ですからね。

「情けをかけるのは人(他人)の為ではなく、自分の為」だということです。

常にそういう心持でいたいものですね。

フランスにはお金や物をねだってくる物乞いが多いし、お金の為に人を騙す人だっている。

今回も、彼が本当のことを言っていたのかはわかりません。

おや?

ちょっと待てよ…。

あ、今日、エイプリルフールやん。まさか…。

あ、どうも山田です。取り乱しております。

エイプリルフールはフランスで生まれた習慣だそうです。

昔、ヨーロッパでは4月1日が新年だったのですが、

16世紀に、シャルル9世というフランスの王様が新しい暦を採用し、

現在の1月1日を新年としました。

これに反発した一部の国民が、4月1日を「嘘の新年」として、馬鹿騒ぎを始めました。

これに怒った王様は騒いだ人たちをみんな処刑してしまいます。

それを嘆き悲しんだ人々が、この出来事を忘れないようにと、

毎年4月1日に嘘をついたりジョークを言い合ったりしたのが、

エイプリルフールの起源とされています。

もっとも、確証はなく一つの説にすぎないそうですが。

また、フランスではエイプリルフールは「Poisson d'avril(ポワソン ダヴリル)」と言います。

ポワソンは魚、アヴリルは4月、つまり「4月の魚」という意味になります。

あんまり関係ないけど、歌手のアヴリル・ラヴィーンの名前は、ここから来ているそうです。

フランス人の父親が名付けたそうなのですが、実際は彼女は9月生まれだそうです。

話が脱線しましたが…

フランスでは、4月1日に、魚の絵をこっそり他人の背中に貼り、からかって楽しみます。

なぜ魚なのか…。

昔、4月になると魚が産卵期に入るということで、漁獲が禁止されていました。

その為、漁師はみな、3月中に獲れるだけの魚を獲ってしまうのです。

漁獲期間最終日である4月1日に、それを知らずに空バケツで漁から帰った人をからかい、

川に魚を放ってわざと釣らせてあげた、というのがその始まりだそうです。

恐らく、前述の出来事と合わさって、現在の風習となっているのでしょう。

で、本当にそんな風習があるのか?と疑問に思った僕は、

検証するためにパリへと向かいました。

しかし、どこにもそんな魚の絵を貼られた人はいませんでした。

見つけたのは、道に落ちていた「こんにゃく」の空きパックぐらいでした。




「なんでフランスにこんにゃく?」とか思いません。「なんで魚やないの?」と思いました。

家に帰ってジャケット脱いだら魚の絵が!!!

…なんてこともありませんでした。残念。

どうやら学校や家庭で子供たちが楽しむ風習のようです。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年3月31日日曜日

週末に、丸い球舞う、青い芝。

もうすぐ冬時間が終わります。

そして夏時間が始まります。

ここで質問です。

時計の針は1時間進めたらいいのでしょうか、それとも1時間戻したらいいのでしょうか。

毎回こんがらがります。算数苦手なもんで。

どうも山田です。

先日、PSG(パリ・サンジェルマン)の試合を観に行ってきました。

ベッカムの入団以来、チケットの入手がやや困難になっていたのですが、

チケットを入手したカズ兄さんが一緒に連れて行ってくれました。

PSGの試合はこれまで5回ほど行ったことがあったのですが、今回は4年ぶりぐらいで、

スタジアムの雰囲気も以前よりちょっと変わった感じがしましたが、

これはスタジアムに着くまでに一杯ひっかけたビールのせいでしょう。

ボディチェックを受けてゲートを通過し、階段を登ると綺麗な芝生が目の前に広がります。

そして、席まで案内してくれるお姉さんも否応なく綺麗。これはスタジアムが男臭いせい。




屋根のところにある「REVONS PLUS GRAND」とは「もっと大きな夢を見よう」という意味で、

今シーズンのPSGのスローガンになっています。

試合は、首位のPSGがイブラヒモビッチの2得点で、最下位ナンシー相手に2-1で勝利。

ただ、試合内容的にはあんまりで、ちょっと物足りない感じがありました。

PSGはどういうサッカーがしたいのか、どういうサッカーを目指しているのか、

チームの色というものが見えなかった気がします。

2得点とも、相手のミスをイブラヒモビッチが拾って個人技で強引に奪った感じやったし、

彼頼りの感が否めませんでした。

ちなみに、ベッカムは後半途中から出場しました。

出場時間が短く、あまり見せ場のなかったベッカムでしたが、

試合後、他の選手たちがさっさとロッカールームに引き上げて行く中、

彼だけは最後まで観衆に手を振って挨拶をしていました。さすが英国紳士。

そういうところを含めて、他の選手の見本となる真のプロフェッショナルなんだろうと思います。

まぁあんだけお金もらってたらちょっと残って手ぐらい振るわな。


そういや先日、PSGのジュニアチームと、僕がコーチをしているNSCとの練習試合があり、

パリ郊外のサンジェルマン=アン=レー市にあるPSGの練習場まで行ってきました。

敷地内には天然芝、人工芝のサッカーコートが全部で5、6面ある素晴らしい施設で、

ここではトップチーム、つまりイブラヒモビッチやベッカムらはもちろん、

小学生から高校生までの育成組織の子供たちも、プロサッカー選手を横目に見ながら、

そして夢見ながら練習をしています。








左はNSCで一緒にコーチをしている田中さんです。

いきなりですが、ここで田中さんのすべらない話をひとつ。

田中さん、最近ご結婚されたようなんですが、奥さんはあまりサッカーには詳しくないご様子。

ところが、ある日こんなことを言い出したそうです。

「サッカー選手3人だけ知ってるよ!」と。

そこで田中さんは聞きました。

「え?誰知ってるの?」

奥さんは自信たっぷりに答えます。

「田中、マルクス、闘莉王!」

(笑)

「それで一人や!」っていう田中さんのツッコミはお察しの通りです。




田中さんと、度々このブログにも登場してくるカリスマ美容師まこと、そして僕の3人で、

「田中会」という飲み会を頻繁にやっています。

田中会というのは、僕が今勝手に名付けましたが、酒豪の田中さんをご満足差し上げる会です。

田中さんは、日本で生まれ、イギリスで育ち、フランスで働き、ナイジェリアに出張している

なかなか帰れない帰国子女です。

酒と数字に強く、愛読書は「ナニワ金融道」、尊敬するのは「やすしきよし」です。


あ、言い忘れたけど、「田中さん」って「さん付け」してるけど、僕より一つ年下(25歳)ですから。

いつもは普通に下の名前で「ヒロ」と呼んでます。

でも2千円借りているのでたまに「先生」と呼びます。

そして、田中さんは今日からまたナイジェリアに行ってしまいます。寂しくなります。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年3月30日土曜日

瓜二つ、嬉しくないけど、おすそわけ。

日本にあってフランスにないものと言えば…カラオケ。

いやあるにはあるらしいんですけどね。

カラオケでの僕の十八番と言えば…H Jungle with Tの「Wow War Tonight」。

H Jungle with T なんて最近の若い子はもう知らんかな?

18年前に、ダウンタウンの浜ちゃんと小室哲哉が組んでいたユニットです。

あ、どうも山田です。

全然フランスと関係ない話していい?

最近、YouTubeで日本のバラエティ番組とか音楽の動画とかよく観てるんですけどね、

久々に「Wow War Tonight」が聴きたいと思って検索したんです。

当時流行した曲だけあって、結構いろんな人がカバーしてたりしてするんです。

で、Preciousって人がカバーした「Wow War Tonight」のPVがあったんですが、

それを見て驚愕。

たぶんこのPVに出てるのがPreciousさんご本人なんでしょうが…

なんとこの方、僕にそっくり!!笑

全然嬉しくはないけど!!笑

いや、よくいるんですよ、僕に似た人。

「昨日どこどこにいてたよね?」「そういやこの前どこどこいなかった?」とかしょっちゅう言われる。

フランスに居てても言われますからね。

ちなみに、似ている芸能人でよく言われるのは「松坂大輔」「中尾明慶」「友達のお兄ちゃん」。

最後のやつはね、もう「わかんない」って言うてくれればでいいです。

「友達のお兄ちゃん」は僕もわかんないですからね。

彼が有名になったら、「俺、Preciousに似てるやろ?」とか言えたのでしょうが、

ブログを拝見させてもらったところ、つい先日引退されたようです。残念。

ってことでYouTubeのリンクを貼っておきます。

僕のことをご存知の方はお暇なときにご覧ください。

それではお聞きください。Preciousで「Wow War Tonight」



すいません。今日はこれが言いたかっただけです(笑)


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年3月17日日曜日

黒人に、してやられたり、えせスパイ。

フランスは映画料金が安い。

しかも学割だともっと安い。

さすがは映画の生まれた国。

映画館の数も日本より多いように感じます。

ちなみに学割が効くのは25歳までらしいので26歳の僕はギリギリアウトなのですが、

店員さんが基本的にアバウトなので、いつも学生料金で映画が観れます。

で、今回観た映画がコレ。


映画「Möbius(モビウス)」


「Möbius(モビウス)」っていう、僕が大好きなJean Dujardin(ジャン・デュジャルダン)主演の映画。

ジャン・デュジャルダンは昨年、「アーティスト」でアカデミー主演男優賞を獲ったので、

日本でもご存知の方は多いのではないでしょうか。

この映画はスパイものなんですが、スパイとかってこう毅然としていてクールな感じでしょ。

スパイとかカッコええなぁと思いながら見てたんですけど、

僕、いつも映画観る時に主人公に感情移入しちゃうというか入り込んじゃうんでね、

この映画を観終わってからもしばらく、自分がスパイになったような気でいました。

一人スパイごっこしてる感じ。

背筋もいつもより気持ちピンとして、なんかよくわからん自信が湧いてきてね。

で、帰りに駅で電車を待っている時に、横にごっつい黒人が2人座ってきたんですね。

絡まれたら面倒くさいなとは思いつつ、でもスパイ気分抜けてないんで、

イヤホンで音楽聴いてるフリして会話を聞いてたんです。

そのうちの一人は、その直前に自販機の裏で小便してたので、

「お前、絶対その手で俺に触れるなよ!」と思いながら、

そして「二度とフランスの自販機ではジュースとか買わない!」と誓いながら。

そしたらそこに酔っぱらったホームレスのおじさんがやって来て、横の黒人に絡み始めた。

「タバコ一本くれねぇか」「持ってねぇよ。失せろよジジイ」「誰がジジイやねん」的な。

で、酔っ払いとのやりとりが面倒臭くなった黒人2人は、

「待ってろ、すぐ戻るから。その間こいつとしゃべっててくれ!」と言って席を発ちました。

そう、「こいつ=僕」です。

おい!なんでやねん!

「後は任せたぜ」と言わんばかりに、僕に向かってウインクを残してズラかる黒人。

そして、案の定、酔っ払いは僕にしゃべりかけてきました。

呂律が回っていないので何を言ってるのかわからない。

「(音楽聴いてるから)聞こえない」って相手にしなかったんですが、

「お前、中国人か」と言われた時にちょうど電車が来たので、

「中国人ちゃうわ」とだけ言い残してその場を離れました。

んで、電車に乗ったらさっきの黒人がいて女の子をナンパしていました。

あの汚い手で…。

何の話やねんまったく。


どうも山田です。

ちょっくらご無沙汰してしまいました。

さて先日、パリで懐かしの方と再会しました。

学生時代にお世話になった湟野先生です。




僕が学生の頃と変わらず、今も京都産業大学でフランス語を教えていらっしゃいます。

湟野先生は毎年、学生たちとフランスを周遊する研修旅行を企画されているんですが、

今回もその研修旅行で来られているとのことで、

一行がパリに到着した日の夜に、シャンゼリゼ通りのレストランで湟野先生と

旅行に参加している学生たち数人とディナーをご一緒させていただきました。

旅行に参加しているのは1、2回生が中心ということで、僕も卒業してから2年になるので、

知ってる顔こそありませんでしたが、一応みんな僕の後輩と言うことなので、

今ここでどんな仕事をしているのかや、フランスでの生活について少しお話させてもらいました。

僕自身、学生時代にはこの研修旅行に2度参加させてもらったのですが、

本当に楽しい旅で、今でも仲間が集まれば当時の研修旅行の思い出話に花が咲きます。

ですから今まさに旅の楽しさ、フランスの魅力を感じ取っている最中であろう後輩たちと、

ここで出会えたのは僕も嬉しかったし、いい刺激になりました。

最後に、学生たちが旅行で使っていて要らなくなったものなどを色々といただきました。

カイロ、ファブリーズ、シャンプー、歯磨き粉、シャツ、靴、紅茶、スープ、緑茶、チーズ、

糸ようじ、割り箸、紙皿、アロエクリームなどなど。

そして一番おもしろかったのがこれ。





ワンピース!(笑)

そういう趣味はないんですけどね。

せっかくなんで有り難く着させていただきます。

でも、外で着たら、やっぱり、ちょっと、あれなんで、パジャマにしますね。

あ、いつかスパイになったら変装用に使えるかもね。




日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年2月24日日曜日

あのギャグは、ツボに入らず、皮肉で笑う。

近所の駐車場にて。

また車が燃えていました(笑)




日本ではアイドルが「火遊び」して大きな騒動になっているというニュースを耳にしました。

相変わらず平和なようで安心しております。

フランス人に「規則破ったら丸刈りやからな!!」って言ったら、

たぶん全員規則を破るかと思います。

どうも山田です。

ってなわけで、僕も頭刈ってきました。

前回と同様、パリのオペラ界隈で、ちびっこからおばさままで、江戸っ子からパリジェンヌまで、

幅広い層から絶大な人気と信頼を得ておられます美容室「TAKEO FUJII」さんで、

カリスマ美容師のマコトヤマグチ氏にハサミを入れていただきました。

お陰様で、ちょっとカッコよくなりました。

そういえば、マコトヤマグチ氏から素晴らしい名言を頂いたのですが、

散髪後のシャンプーが気持ち良すぎて、何やったか忘れました(笑)

確か「記憶に残らないものは名言ではない」とかそんなんやったかと思います。




さて、昨日は、マルヌ・ラ・ヴァレ大学での第5回目の日本文化講義がありました。

今回のテーマは「日本と南米の関係について」。

これは、僕がやりたいと思ったテーマというより、

大学側からやって欲しいと要望されたテーマなのですが、

ひとつ返事でOKしたはいいものの、日本と南米の関係って言われても…

何にも知らないし、ちゃんとした講義が出来るのか不安な気持ちがありました。

ひとまず、日本とブラジルの位置関係について説明する際に、

ブラジルは日本のちょうど裏側にあるということで、

サバンナ八木さんの伝説(?)のギャグを紹介させていただきました。

「彼は日本のコメディアンで、意味不明なギャグで笑いをとるのですが、

彼のギャグの一つにこんなのがあります。

いきなり地面に向かって彼は叫びます。『ブラジルのみなさん聞こえますかー?』と。」


しーん…。


や、やばいよ。八木さん、フランスでもスベってるよ。

「ブラジル人から返事が来たことはありません。それどころか、客席からの反応もありません」

とちょっと皮肉った解説を加えると笑いが起こりました。

危ない危ない。八木さんをスベらせるところやったで。

こんな感じで、真面目な話ばかりではなく、ちょっと「笑いの要素」も入れて講義しています。

笑いのツボが違う外国人を笑わせるのは大変ですが、これも大事なことだと考えています。

たまに、「ここ笑いどころやで!」ってところで妙な空気が流れたりして凹みはしますが、

それでも思い通りにみんなが笑ってくれるとちょっと快感だったりします。


とにもかくにも、日本と南米について色々と調べていくうちに、

いくつもおもしろい話を発見でき、なかなか興味深い講義にできたのではないかと思っています。

今日は、講義でお話した中からひとつだけみなさんにもご紹介したいと思います。

最近、格差社会が問題となり、「勝ち組、負け組」という言葉を色々な場面で耳にしますよね。

実はこの言葉の本来の意味は、ブラジルにおける日系社会で出てきた言葉なんです。

戦後のブラジルにおいて、非常に「奇妙な」問題が発生しました。

「戦争で日本は米国に負けた」と考える日本人と、

「戦争で日本は米国に勝った」と主張する日本人が対立して抗争が起こったのです。

「勝ち組、負け組」というのは本来はこの出来事を指します。

これは現地での情報不足や日系人社会における政治的陰謀などが要因だったそうなのですが、

当時ブラジルにいた300万人の日本人のうちのなんと9割、つまり270万人もの現地日本人が、

日本の勝利を信じていた「勝ち組」であったというのですから驚きます。

中には、日本に帰国した際に、著しい経済発展を目にして「あぁやっぱり日本は勝ったんだ」

と思った人もいたようです。

「勝ち組、負け組」という流行語の裏にはこんな歴史があったのです。


個人的には、最近のこの「勝ち組、負け組」などといった言い方は好きではありません。

メディアは好んでこの言葉を使い、様々な場面において勝ち負けの優劣をつけて形容しますが、

これは「競争心」を煽り、「周りはどうであれ、自分がよければいい」

という思想に繋がるような気がするのです。

車に火を放って法を犯すうちの近所の荒くれ者や、火遊びで集団の規則を破る某アイドルなど、

周りのことを考えずに自分の欲に走るのではなく、

「この人をカッコよくしてあげよう」という某カリスマ美容師や、

「みんなを笑わせよう」というサバンナ八木さんのような、

周りの人を幸せにしてあげようということこそが大事なのではないかなと僕は思います。


ちなみに、この本来の意味における「勝ち組、負け組」の出来事は、

「汚れた心」(伊原剛志、常盤貴子主演)という映画になっていますので、

興味のある方はご覧になってみて下さい。




映画「汚れた心」





それではみなさま、よい週末をお迎えください。

さよなら、さよなら、さよなら(懐かしの淀川長治さん風に)。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年2月12日火曜日

冬空に、浮かぶ日を背に、カラスはどこへ。




ご覧ください、この寸止めテク!!

ドライバーの「ドヤ顔」が目に浮かびます。

(3行目にして早くも)話変わって…

先週、うちの事務所に新しい社員(男性←ここ重要)が入ってきました。

実は僕の働く事務所は常勤の社員4人、非常勤の研修生2人、みんな女性なんです。

女性に囲まれて仕事するやなんて天国やな!!と思ってたのに…

まぁそんなことよりもね、彼の名前忘れちゃってしどろもどろ(笑)

「名前なんやっけ?」と思って、でも「あの人の名前何やった?」って聞くのもあれやし…

誰かが彼を呼ぶのを待とうと思って、パソコンカチャカチャしてるフリして聞き耳立てました。

そしたら「ロマリック」って名前だとわかりました。

昼休み、ロマリックが居ない時に、研修生のマノンとモルガンが

「あのムシューの名前なんだっけ?」って言うてたから教えてあげました。

「ロマリックやで!!」って。

「ドヤ顔」で…。


あ、どうも山田です。

さて、今日は日本の「建国記念日」ですね。

そこで今日は日本の建国について話をしたいと思います。

みなさん、自分の国の建国について知っていますか?

日本の建国は今から紀元前660年まで遡ります。

つまり今日は日本の「2673歳」の誕生日となるわけです。

日本は世界中の国々の中で一番古い国で、一番の長老です。

二番目に歴史が長いデンマーク王国で約1000年、三番目のイギリス王国で946年ですから、

日本が如何に古い国なのかがわかります。

日本の建国は神武天皇が日本を統一して初代天皇として即位した日なのですが、

それが2月11日(旧暦の元旦)なのです。

もちろんこれは712年に編纂された「古事記」と、720年に編纂された「日本書記」にある

「神話」の話ですから、「事実」ではないかもしれません。

しかし、「この神話が事実かどうか」は大したことではなく、

大事なのは「日本が文字もない時代に建国されたという事実」であり、

「日本が建国以来、一度も他の民族から侵略を受けることがなかったという事実」です。

他の民族から侵略を受けなかったからこそ、古くからの伝統が今もこの国に残っているのです。

この神武天皇が、太陽神である「天照大神」という神の子孫であるということ、

現在の今上天皇が、神武天皇の末裔にあたるということは、

我々日本人は神話から繋がる「神秘的な国」に生きているということです。



さて、この神武天皇の日本統一に関して面白い話があります。

みなさん、このサッカー日本代表のエンブレムをご存知ですよね?




実はこのエンブレムがこの神武天皇の日本統一に大きく関係しているのです。

どういうことかというと…

神武天皇は日本を統一するために、日向(現在の宮崎県)を出発して東へ向かいました。

熊野国(現在の和歌山県南部および三重県南部)で道に迷われた神武天皇を

大和国(現在の奈良県)へ道案内をして、日本統一に貢献したのが

このエンブレムに描かれている「八咫烏(やたがらす)」なのです。

それ以来、八咫烏は勝利に導く鳥とされ、

現在は日本代表を勝利に導くためにそのユニフォームの胸にいているわけです。

八咫烏は足が三本ありますが、これは「天(神)、地(自然)、人」を表しているそうで、

神と自然と人が一体となっているところに日本人の持つ「自然観」を感じます。

「なるほど!」と思われた方は、さっそく隣にいる人に話してみてはいかがでしょうか。

「ドヤ顔」で…笑。


この建国の話は「日本人と自然、宗教の奇妙な関係」と題した第三回目の大学での講義でも

フランス人の学生たちにお話ししました。

世界のどこの国の人でも自分の国の建国について知っています。

フランス人なら「俺たちが革命で独裁王を処刑して自由と平等、そして友愛を手に入れたんだ」、

アメリカ人なら「俺たちが独立戦争で勝利して人民の人民による人民のための国を作ったんだ」、

ドイツ人なら「俺たちがベルリンの壁をぶっ壊して東と西を一つにしたんだ」と、

誇らしげに、熱く語るでしょう。

ところが、日本人はというと、これら外国の建国については知っていても、

自分の国の建国となると聞かれても答えられない人が少なくないと感じます。

「建国記念日」という一年に一度の機会に、日本という国がどのようにしてできたのかを考え、

日本という国に生まれ、日本人として育ったことを誇りに思うと同時に、

2600年以上もの間この国を守ってきた祖先に対して感謝の念を持つことは、

この国を守るということに繋がるのではないかと思います。

こういったことを感じられるのも、日本から離れた異国にいるからなのかもしれません。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士