2017年2月4日土曜日

鴨を待ち、鴨よカモンと、凍える猟師。

今日2月4日は立春、つまり暦の上では春が始まるわけですが、まだまだ厳しい寒さが続いています。

先日、道を歩いていると、犬の散歩をしているおばちゃんがいました。

寒さのせいか、犬が「クシュンッッ」とクシャミをしたのですが、

おばちゃんは犬に向かってこう言いました。

「ハクション出るんか?息止めとき!息止めたら治るで!」

おばちゃん、それシャックリの止め方!!


さて今回は、そんな寒い時に使えるフランス語の表現をご紹介しましょう。

単に「(気候が)寒い」と言う時には、「Il fait froid. (イル フェ フロワ)」 と言います。

でも、「寒い」ってだけやと何か味気ないなぁ、もうちょっと大げさに、かつユーモアのある表現にしたい…という時にとっておきなのがこちらの表現。

Il fait un froid de canard. (イル フェ アン フロワ ドゥ カナール)」

直訳すれば、「鴨(カモ)の寒さやな!」ぐらいの感じでしょうか。

しかし、なぜ鴨なのか…?

これは、狩猟から生まれた表現なのですが、秋から冬にかけて鴨の狩猟が行なわれます。

特に冬に獲られた鴨は脂がのっていて美味しいそうです。

日本でも、鴨は冬の季語になっているし、鴨鍋は冬が旬です。

しかし、冬の狩猟は猟師にとってはまさに地獄。

凍える寒さの中、鴨が十分な距離に近づくまで身動きがとれないのです。

そこで、「鴨を捕る時のような寒さ」を「鴨の寒さ (un froid de canard)」と言い、

Il fait un froid de canard」で「凍えるほど寒い」という表現になっていったというわけです。


ついでに、フランス語で「鴨」を意味する「canard (カナール)」は、

「鴨って何て言うんかなー?カナー(ル)かなー?」で覚えてください。

え!?これがほんまの「鴨の寒さ」って!?

おあとがよろしいようで。。。