2013年1月27日日曜日

ちびっこに、追いかけられつつ、時を追う。

小学校での授業の休憩時間、僕には休む時間などありません。

決まって子供たちとの追いかけっこが始まるからです。

追いかけっこというか、僕にとっては追いかけられっこ。

まず、子供たちが僕を追いかけます。

僕は全速力で逃げます。

振り返ると子供は5人から10人に増えている。

囲まれて、逃げ場を失い捕まる。

子供たちは僕を逃がします。

また僕が逃げて、振り返ると子供の数は20人に増えていて、囲まれて捕まる。

この繰り返し。

たとえ僕が疲れようが、息が切れようが、子供たちには関係ない。

僕に出来るのは、休憩時間終了の笛が鳴るのを待つことだけ。

こんな感じで小学生にも可愛がられております。

どうも山田です。

気づけば、こちらに来てもう4か月が経とうとしています。

ただただ早い。時の流れは、追いかけても追いかけても捕まえられません。

ああ時の流れの恐ろしさよ。

光陰矢の如し。

さて、今日はちょっと告知を。

僕の後任となる次期日仏交流コーディネーターの募集が始まりました。

詳しくは(公財)兵庫県国際交流協会のHPにアップされている記事をご覧ください。

http://www.hyogo-ip.or.jp/nlist/news2012/modtreepage01_15839/


このブログの一番最初の投稿で書きましたが、

ここで今一度、「日仏交流コーディネーター」の仕事についてお話しておきます。

このプログラムは、兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の友好交流事業の一環として

20年以上続いているもので、毎年一名が「日仏交流コーディネーター」として

兵庫県からフランス セーヌ・エ・マルヌ県(パリの東隣に位置する県)に派遣されます。

日仏交流コーディネーターの任務は以下の通り。

1.セーヌ・エ・マルヌ経済振興公社でアシスタントとして勤務する。
セーヌ・エ・マルヌ経済振興公社は、セーヌ・エ・マルヌ県議会(日本でいう県庁)の外郭組織で、県内の経済開発を推進する業務をしています。そこで日仏交流コーディネーターは、日本に関する案件を担当し、セーヌ・エ・マルヌ県への進出を希望する日本企業、日本への進出を希望するセーヌ・エ・マルヌ県企業の支援、仲介をします。翻訳や通訳業務が主になります。

2.マルヌ・ラ・ヴァレ大学にて日本文化についての講義をする。
マルヌ・ラ・ヴァレ大学で日本文化についての講義を行います。講義は2時間で、受講生は毎回約100人です。

3.現地小学校にて日本文化体験授業をする。また、現地小学校と兵庫県内の小学校の交流を支援する。
グレッツ市にあるジョルジュ・トラヴェール小学校で日本文化体験授業をします。また今年度から、神戸市立御影小学校との交流事業が始まり、児童の作った作品などを贈りあったりしています。授業の様子をこのブログでも書きたいのですが、写真を載せるのが難しいのでなかなか出来ません。

4.兵庫県パリ事務所のお手伝いをする。
僕がこちらに来てからはまだあまりないのですが、パリにある兵庫県事務所にお手伝いをお願いされることがあります。

.マルヌ・ラ・ヴァレ大学にて専攻分野の講義を受講する。
僕の場合は、マルヌ・ラ・ヴァレ大学院で現代文学を専攻しています。

6.ブログで現地での生活の様子を発信する。
おかげさまで、アクセス数が5000件を越えました。


さて、一体どんな方が僕の後任となるのでしょうか。

僕自身、20年以上続いてきたこの交流事業に携わってきた全ての方々が積み重ねてきた

努力や苦労があるからこそここに立てています。

僕がここでしっかりと仕事をすることで、次の方の下地になるかと思いますので、

僕としては、一日一日を精一杯やっていくだけです。

もうすでに4か月も経ったとはいえ、まだあと8か月もあります。

やり残すことのないように、後悔することのないように、ここで燃え尽きることができるように。

まだまだ冒険は道半ば。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年1月21日月曜日

雪だるま、白く染まった、パリの街。

雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ冬ノ寒サニ…は負けそうです。

どうも山田です。

先週まで「今年の冬は暖かい」なんて声があちらこちらから聞こえておりまして、

「なあんや、パリの寒さなんて大したことあらへんな」なんて高を括っていましたが、

一転して今週から雪、雪、雪と、パリの寒さは本気を出してきました。

パリでもこれだけ雪が降ることは珍しいそうです。

というわけで、ちょっと雪のパリを見てみるかってなことで散策に行って参りました。

街には誰が作ったかあちこちに雪だるまが…。


セーヌ川のほとりでピースサインに応じる雪だるま氏


ルーブル美術館で来場者を迎える雪だるま三兄弟




ちなみに、雪だるまはフランス語でbonhomme de neige(ボノンム ドゥ ネージュ)と言います。

直訳すると「雪の兄ちゃん」ってな感じでしょうか。

この場合の「兄ちゃん」はいわゆる「兄」ではなくて、

大阪のおばちゃんがよく使う方の「兄ちゃん」ね。



雪で白く染まったシャンゼリゼ通り


パリの雪化粧を高みから見下ろすエッフェルとカモメ




パリの景色は綺麗やし、街並みは美しいのですが、

正直なところ何度も見過ぎてちょっと新鮮味がなくなってきていた今日この頃。

そんなところにこの雪化粧ですよ。

改めてパリの綺麗さ、美しさを感じることが出来ました。

いやぁ惚れ直しましたよ。

いつもすっぴんな女性がたまに化粧をするようですね。

そんなことを考えながら道を歩いていると、

いきなり雪の玉が飛んできて、僕の頭に見事なまでに直撃しました。

「蛇の足より人の足見よ」ってことですね。
※役に立たないことを考えるよりも、身近なことについて考える方が大切だということ。



頭に雪砲弾を受け震える山田


犯人はこの男!!


カーズのキャラクター(?)と記念撮影するギヨーム


友達のギヨームです。イェーイちゃうねん。

その大きな手で作られた雪玉で僕に宣戦布告してきたわけですが、

反撃を期した僕の投げた雪玉は空中分解してしまい、さらに大きな雪玉を頂戴してしまいました。

「藪をつついて蛇を出す」とはまさにこのことです。
※余計なことをして、かえって悪い結果をまねくこと。

まぁ「蛇が蚊を呑んだような」顔をしておきましたけどね。
※少しも感じないで、けろりとしているさま。

さて、ギヨームについて少し紹介を。

僕は兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の人物交流としてこちらに派遣されているわけですが、

逆にセーヌ・エ・マルヌ県からも研修生が兵庫県に派遣されています。

ギヨームは昨年、その研修生として派遣され、

日本の企業で3ヶ月間インターンシップをしていたのです。

彼の日本滞在中、兵庫県国際交流協会でフランス派遣前の研修中だった僕が、

色々と彼のお世話をさせていただいていました。

実際は、「お世話」やなんて上から目線で言えるようなことは何にもしておりませんで、

ただ単に気が合ったから仕事以外でも一緒に遊んだりしてただけなんですけど。

ギヨームは日本での日々を非常に懐かしく思ってくれて、またいつか日本に行きたいと、

日本に対する興味をより一層深めてくれています。

そんな様子を見ると、僕も彼の日本での生活に関わった一人として、本当に嬉しく思うのです。

今後もこのブログに度々登場してくれるかと思います。



遠近法により小さく見える山田(左)と、逆に大きく見えるギヨーム(右)


さて、このパリの雪はしばらく続くようで、寒さが苦手な僕は「蛇に睨まれた蛙」状態です。
※非常に恐ろしいもの、苦手なものの前で、身がすぐんでしまい動けなくなるようす。

「蛇が出そうで蚊も出ぬ」ことを願っています。
※何か大きなことが起こりそうだが、実際はこれといって何も起きないこと。

今年は蛇年ということで、蛇のことわざを強引にねじ込んでみました。

書いてる僕も意味がよくわかっておりません。

今年は「常山の蛇勢」というべき文章で、このブログを皆様にお楽しみいただきたく思います。
※文章などの構成が一貫しており、破綻がないこと。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年1月13日日曜日

ロンドンよ、ありがとーます、また来ます。

ロンドン旅行最終日。

またサッカーです(笑)

「サッカーの聖地」と呼ばれるウェンブリースタジアムへ行きました。




欧州ではバルセロナのカンプノウに次いで2番目に大きい9万人収容のスタジアムです。

イングランド代表の本拠地であり、サッカーだけでなくコンサートなどにも使用されるそうです。

日本で言う国立競技場、フランスで言うスタッド・ド・フランスかな。

今年のチャンピオンズリーグ決勝もここで行われます。

この日は試合があるわけではなかったのですが、

普段は関係者しか入れないスタジアムの裏側を回るスタジアムツアーに参加しました。




まずはロッカールーム。

写真は将来が楽しみなチビっ子です。

全く笑顔がないところから察するに、試合前の選手になりきっているようです。集中してます。




続いてピッチへ。

芝生の中までは入れませんでしたが、「聖地」の雰囲気を感じることが出来ました。

9万人の観客の歓声に包まれながら入場していく選手たちを想像します。

国、もしくはクラブの名誉、9万人の観衆の期待、負けられない重圧、

素晴らしいピッチに立てる喜び、色んなものを背負ってここに立つのでしょう。

ピッチではグリーンキーパーの方たちが作業をしていました。

実は僕、神戸ウイングスタジアム(ホームズスタジアム神戸)で6年間、

グリーンキーパーのアルバイトをしていたんです。

ウイングのみなさん、ウェンブリーでもジョンディーを使ってましたよ!!




続いて観客席に。

ピッチで戦う選ばれし精鋭たちの一挙手一投足をただ一心に見つめる観客をを想像します。

週末のフットボールだけを楽しみに毎日毎日汗水たらして働くおじさんが握りしめるのは、

やっとの思いで手に入れた2枚のチケットと、

将来自分もこのピッチに立つんだと大きな夢を描く息子の小さな手。

ピッチの上で繰り広げられるスペクタクルだけでなく、観客席の一人一人にドラマがある。

やっぱサッカーっていいもんだなと感じました。




あ、ここでも発見「極度乾燥」。




最後は記者会見場。

監督になったような気分。記者から質問が飛びます。

記者「いよいよロンドンでの旅も終わりに近づきましたね」

監督「そうですね。本当にあっという間でした。」

記者「ロンドンの街はいかがでしたか?」

監督「街並みが綺麗で、清潔でしたね。それから人も親切でした。フランスとはまた違った雰囲気でしたね。」

記者「ロンドンとパリの違いを分析すると?」

監督「ロンドンもパリも多国籍の人種が共存している街ですが、ロンドンにはインド系の人が多く、パリと比べるとアラブ系、黒人の割合が少ないように見えましたね。」

記者「エリザベス女王については?」

監督「硬貨と紙幣の裏にいっぱいいてはりました。愛されてるんでしょうね。イギリス王室が国民に与えている影響というのは大きいものがあると思いますね。王を排除したフランスとの違いや、あるいは皇室を持つ日本との共通点なんかもありそうです。」

記者「飛行機の時間は大丈夫ですか?」

監督「実はつい最近、リールで電車を乗り逃してしまって。今回はちゃんと確認しましたよ。」

記者「じゃあ今回は大きなサプライズはないということですか。」

監督「用意はしていませんが、サプライズはいつ起こるかわからないからサプライズなんです。」

記者「よくわかりませんが。お気をつけて。」

監督「ありがトーマス。」


さて、ロンドン旅行もこれで終わり。

そういえば僕、英語が全然話せないんですけどなんとかなりました。

言葉でのトラブルは全くありませんでした(強いて言えば石鹸買わされたぐらい)。

大事なのは、間違いのない文法ではなく、訛りのない発音でもなく、豊富な語彙でもなく、

伝えようという気持ちです。言葉ってそういうものだと思います。


飛行機で帰途につき、パリに戻ると、なんだか故郷に帰ったような落ち着きがありました。

次はどこへ行こうか。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年1月12日土曜日

イギリスで、フーリガンらが、いきりたつ。

ロンドン旅行三日目。

ホテルじゃろくな飯が出てこないということで、

朝からイングリッシュブレックファストなるものを食べに行きました。




ベーコンとハッシュドポテトは合格。

あとは味もなければ合格点もございません。


さてと、今日はまずショッピング。

といっても、僕はあんまり物欲がないし、お金もないので、まことの金魚の糞でした。

最初に入ったブティックで、セーターの値札が5万円とあったので、そそくさと店を出ました。

イングリッシュブレックファストにあった、豆をトマトで煮込んだやつの汁かかったら終わりやん。


続いて、こんなお店を見つけたので興味本位で入ってみました。




みなさん、このブランドをご存知ですか?

今まさにヨーロッパで流行しているカジュアルブランドで、

ここの服を着た人をロンドンでもパリでも結構よく見かけます。

なんでもデザイナーのイギリス人が、アサヒスーパードライを飲んで感動し、

「スーパードライ」をネットで機械翻訳したところ「極度乾燥」と出たので、

それを名前にしたそうです。

なかなかいい感じの服が揃っていたんですが、

どの服にももれなく「Superdry極度乾燥」、「Superdry堅い天候の会社」、

「Superdry自動車潤滑」、「Superdryサングラスの会社」などなど、

もれなく意味不明な日本語がプリントされてありました。

日本語に興味を持ってもらえることが嬉しい一方で、

どこか腑に落ちない、複雑な心境になりました。



その後、道を歩いていると、

口の意味わからんとこにピアスをつけた、でもすごくかわいいお姉さんに声をかけられました。

美容品のお店の客引きのお姉さんでしたが、

女の子と押しに弱い山田は、言われるがままにへこへこついていきます。

手にクリームをつけられて、少しこすり、水で流すと手がツルツルになりました。

死海のなんかを使っているそうです。

「これほんとなら50ポンドだけど、あなたが好きだから35ポンド、

さらに学割で25ポンドにしておくわ」と言われました。

言われてすぐに頭の中で日本語変換したので、

「好き」がlikeだったかloveだったかは忘れました。

でも、そんな肌ツルツルになってもしゃあないしなぁと思い、

結局、5ポンドの石鹸を買いました。その石鹸を使ってみましたが、全く泡がたちません。

まさに5ポンドが水の泡と消えたわけです。

最後に、この一件をこのブログに載せようと思い、一緒に写真を撮ってもらおうとしましたが、

「忙しいから無理」って冷たくあしらわれました。


さて、ロンドンにはビートルズのCDジャケットになったアビイ・ロードがありますが、

僕はそんなに言うほどビートルズ好きでもないのであまり興味がなかったんですが、

バーウィック・ストリートはかなりテンションが上がりました。

イギリスのロックバンドoasisのファーストアルバムのジャケット写真になっている通りです。


 




こんな僕の小さな背中も、なかなか絵になっている気がします。


そして、この日の夜、ついに今回の旅のメインイベント。

もちろんサッカーです。

イングランド・プレミアリーグ、チェルシー対QPRの試合を観に行きました。

昨年のチャンピオンズリーグ覇者と現在プレミアリーグで最下位に沈むチームの対戦。







僕は、特にチェルシーファンでもないのですが、フランスのリールから今季チェルシーに加入した

ベルギー代表のエデン・アザールという選手が好きで、

彼のプレーを生で見られるのを楽しみにしていました。

しかし、普段はレギュラーで試合に出ているアザールが、この試合に限ってベンチ…。

後半途中から交代で出場したものの、それほど大きな見せ場を作れずでした。




試合中、横の席のまことが、何か知らんけどスイッチ入って、

「おい!!ファウルやろ!!」とか「ゴーゴーゴー!!」とか滅茶苦茶叫んでました。

「あの審判ありえへん」っていうセリフは4回続けて言うてました。

まことが「こいつまじうっさいねんけど」って言ってた僕らの横の熱狂的ファンよりも、

まことの方がでかい声出してました。

身近なところにフーリガン発見(笑)

後で聞いたら、「え?そんな叫んでた?全然覚えてない」とか言ってました。

しかも試合は、0-1でアウェイのQPRが勝利。

正直、試合内容も全然面白くないものでしたが、

それでもこんなにピッチに近い席で本場のサッカーの雰囲気を味わえたのは最高の思い出です。

頑張ってチケットを取ってくれたフーリガンに感謝。


最終日に続く…


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

公園が、リスとおやじの、秘密の隠れ家。

ロンドン旅行二日目。

楽しみにしていたホテルの朝食がトーストのみでした。

こんなことがあってよいのだろうか。女王様にお仕置きしてもらおう。

ということで、エリザベス女王がお住まいのバッキンガム宮殿に行きました。

宮殿から何やら湯気が出ていたので、たぶん女王はお風呂に入っておられました。




門のところに兵隊さんが立っていて、睨みを利かせていたので退散。

宮殿の横にあったセントジェームスパークという公園を散策しました。


色んな種類の鳥が放し飼いにされた公園


柵を乗り越えようとするリス。その横の影の足が短い方が山田。




リス好きのおじさんがリスと戯れていました。

おじさんは人嫌いのリス好きで、リスとはしゃべるけど僕らとはしゃべってくれません。

でもリス好きなところを見ると、ちょっと昔気質で不器用なだけで、

本当は優しいおじさんなんだろうなと思いました。

きっと家に帰ったら口うるさい奥さんが、「あんたどこ行ってたのよ!!」なんて言いながら、

あったかい紅茶でも入れてくれるんやろうな。

コップはやっぱりチップとデールのやつかな。




なんか撮影っぽいな。なんかの雑誌かな。

おじさんメインなのか、それともリスがメインなのか。

リスと戯れるおじさんなのか、それともおじさんに懐くリスなのか。

「LEON」なのか、それとも小学館の「動物図鑑」なのか、はたまた月刊「男の隠れ家」なのか。

それにしてもこのカメラマンさん、腰の落とし方からしてただものやないな。

こういう何気ない日常をテーマにシャッターを切る新鋭の写真家さんかな。

どっかで見たことある気がするけどな。


カルガモ散歩隊のみなさん

散歩隊に入れてもらおうと近づくも、みにくいあひるの子状態の山田。


僕、こう見えて(どう見えてるかは知りませんけど)、

動物園とか大好きなもんで、ついついはしゃいでしまいました。

しかし、都会の中にこういう自然があるのはいいですね。

やっぱりこういう場所が一番落ち着く。


さて、午後からは、ロンドン郊外にあるストーンヘンジに行きました。





ストーンヘンジは紀元前2000年~3000年、

つまり4000年~5000年前にに作られたものだそうで、

何の為に作られたものかも定かではないそうです。

オーディオガイドのお姉さんは、宇宙人が作ったとか言うてました。

絶対嘘やろ。

たぶんこれ、もともとは一つの岩で…いや違うな。

すんごいでかい巨人がおって…いや違うな。

コロッセオみたいな闘技場で、猛獣と人が戦ってた…意外にありえそう。


ロンドンに戻って、夜は一度食べてみたかったフィッシュアンドチップスを食べに行きました。




イギリスは料理が不味いとよく耳にしますが、これは美味しかったです。

ただの白身魚のフライなんですけどね。

ってかよく考えたら、これが10ポンド(1300円)以上もするって何なん。

せめてご飯かパンぐらいつけて欲しいし。

油モン×油モンはレモン絞ったぐらいじゃサッパリなんかならへんし。

ってかそういや昼飯にフィレオフィッシュとポテト食うたんやった。


3日目に続く…


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

ロンドンで、どんどん近づく、ニューイヤー。

おフランスはバカンスのお国。

年末年始に1週間のお休みをいただきまして、前後の土日を合わせて9連休でした。

というわけで、以前このブログでも紹介した美容師のまことと一緒に

イギリスのロンドンに行って参りました。


12月31日、大晦日の夜に飛行機でロンドン入り。

一足早く年が明けた日本の友達がみんなこぞってFacebookにアップしていた

年越しそばを見て、どうしてもプリップリのえび天ののったそばが食べたくなり、

このまま気流に乗って日本まで飛んでいかへんかなと願いましたが、

飛行機は無事ロンドンに到着しました。

ロンドンに着いて最初に感じたのが街の綺麗さ。

レンガ造りの街並みはもちろんそうなのですが、

郊外でも落書きを見ることがなく、道にゴミが落ちていない。

ちょっと海を隔てただけなのにこんなに違うんやなと思いました。


さて、ロンドンのカウントダウンは年越し花火が有名らしいということで、

ホテルにチェックインしてから会場のテムズ川へ。

毎年、数十万人の人が集まるということで、本当に人が多かった。

僕、ボケッとしてるから何回も迷子になりかけました。




ちょっとでも近くで見ようと、とにかく前へ前へ人混みを掻き分けて進みました。

もうこれ以上進めないなというところまで行ってカウントダウンを待つことに。


この人混みの中、地べたに座るカップルがいました。あぐらをかいてどっしりと。

彼らが座ることで、立てば空くはずのスペースが埋まり、押し合いへし合いする中なので、

非常に邪魔で、周りにいた誰もが怪訝そうな顔で見ていました。

誰だって座りたいのは一緒やし、みんな少しでも前で花火を見たいと思っています。

こういう場面では座ってはいけないという暗黙の了解のようなものがあるし、

まさに空気が読めないKY状態でした。

顔を見るとアジア人だったので、中国人か韓国人やろうと思っていました。

カウントダウンの15分ほど前になってやっと彼らが立ち、

その分スペースができたので、少し前に進むことが出来ました。

しかし、彼らが吐いた「こんなに人がいたんだ~」という日本語での一言に、僕は驚愕しました。

僕は同じ日本人として情けなくて仕方ありませんでした。


同じようなことが前にパリでもありました。

メトロに乗っていた時、たまたま隣に日本人が座っていたんです。

すごいお洒落な30代前後の男性でした。

僕らが座っていたのは、ドア付近の仮設椅子。

だんだんと車内が混んできたので、僕は椅子を上げて立ちました。

日本ではこの仮設椅子は混雑時には下げられないようになっていたかと思いますが、

こっちでは混雑時には仮設椅子には座らず立つというのが暗黙の了解、

周りの空気を察すれば、周りを気遣う気持ちがあれば、わかる話です。

止まる駅止まる駅で次々と人が入ってきて、立っている人は身動きもとれない満員電車。

それでもこの日本人男性は立たず、おまけに格好よく足を組んで座っちゃったりしてる。


僕は、日本人の持つ素晴らしい精神、特に他人を思いやり、他人に敬意を持つ精神を、

日本文化を通してフランス人に伝えようとここで必死になってやっています。

しかし、このようなマナーの悪い、空気の読めない一部の日本人の行為によって、

僕の活動は泥を塗られているような気がしてなりません。

また同時に、それを注意できなかった自分にも腹が立ちます。

あんまりこれ書きたくなかったけど、これも事実なので。

そういう日本人が増えてきていることを感じつつ、

僕自身も自分にそういうところがないか注意していきたいと思います。


さてさて、そんなことはさておき、いよいよカウントダウン。




ビルにカウントダウンの数字が映し出されます。

そしてついに…



たーまやー!!

じゃなかった。

ハッピーニューイヤー!!

さすがに日本の花火ほどはすごくないけど、いやそれでも感動しました。

今年はこの花火のように、光り輝く大きな何かを成したいですね。

そのためには、花火職人の細かく丁寧な仕事のごとく、

地道に丹念に準備しないといけませんね。




街は歌って踊ってのもう大騒ぎ。

ヨーロッパの年越しは、家族でゆっくり過ごす日本の年越しとは全く正反対なようです。

お酒が飲みたかったけどどこのお店ももうお酒は売り切れ…

お腹が空いていたけどどこのレストランももう閉店…

さらに付近の駅は封鎖されているとのことで、ホテルまで歩いて帰りました。

やっぱり日本の年越しに慣れているので、どうも新しい一年が始まった実感はありませんが、

こういった文化の違いに触れられたことは、とてもいい体験になりました。

2日目に続く…


日仏交流コーディネーター
山田 剛士


2013年1月6日日曜日

新年も、社会の窓も、あけまして。

今ね、隣の部屋の男の子がやって来て、新年の挨拶に来てくれたんやけど、

何か僕の下半身見られてるなぁと思ったら、社会の窓が全開でございました。

年明け早々お粗相をかましました。

あ、あけましておめでとうございます。山田です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始と色々なイベントがあって忙しく、ついついご無沙汰してしまいました。

その分、いっぱい書くことがありますので、

年明けからエンジン全開でブログ更新していきたく思います。


さて、ちょっと前になりますが、日本から友人がやって来ました。

ご紹介します。菅谷氏です。


ノートルダム寺院をバックになぜかファイティングポーズをとる菅谷氏。




菅谷氏は大学時代の友人で、同じクラスで4年間フランス語を勉強した仲間です。

フランス語に関してはまだまだですが、

僕が教え込んだ「Rの発音」だけは素人の域を超えています。

また、大学時代に僕が所属していたサッカーサークルのキャプテンでもありました。

最後の大会で僕を前半だけで交替させたことはいまだに根に持っています。一生持ちます。

大学卒業後は、乳児用品でおなじみのピジョンに就職し、

現在は故郷の京都から遠く離れた千葉で一人暮らし。

その寂しさから毎晩枕を涙で濡らしているそうです。

スズメの涙とはごくわずかなもののたとえですが、

ピジョンの菅谷はよく泣きます。安い涙です。

(本人曰く)チュートリアルの徳井、関ジャニの村上に似ています。

関西で全くウケなかった「なんでもかんでも語尾にポン酢をつける」というギャグを

関東で流行らせようとした結果、甚大な被害をもたらしました。

被害に遭われた方、この場を借りて僕の方からお詫び申し上げます。

菅谷、関東はポン酢より醤油の方がええんちゃうか?

ちなみに、菅谷氏は世界一の大通りであるシャンゼリゼ通りで社会の窓が全開でございました。


さて、そんな菅谷を連れて、クリスマス前の週末にLille(リール)という街に行ってきました。

フランス北部のNord-Pas-de-Calais地方の中心都市で、ベルギーとの国境にほど近い街です。


リール・フランドル駅


基本的に僕の旅はサッカーを抜きにしては成り立ちません。

ということで、今回の旅の一番の目的はLOSC(Lille Olympique Sporting Club)

というサッカーチームの試合を観ること。

LOSC(※ロスクと読む)は近年着実に力をつけてきたチームで、

2010-2011シーズンにはリーグ戦で57年ぶりの優勝を果たしています。

エリック・アビダル(現バルセロナ)、ジェルビーニョ(現アーセナル)、

ヨアン・キャバイエ(現ニューカッスル)、エデン・アザール(現チェルシー)ら、

現在欧州のビッグクラブで活躍する選手を輩出しています。

また、フランスでは2016年に欧州選手権が開催されるということで、

各地でスタジアムの建設、改修が盛んに進められており、

このLOSCの本拠地であるグラン・スタッド・リール・メトロポールも

昨年7月に完成したばかりのおニューのスタジアムです。


4万5千人の観衆で埋め尽くされたグラン・スタッド・リール・メトロポール


赤いユニフォームを身に纏ったLOSCの攻撃


この日は年内最後のリーグ戦で、

一昨シーズンのチャンピオンであるLOSCと昨シーズンのチャンピオンのモンペリエが対戦。

約4万5000人の観衆を前にホームのLOSCが優勢に進めた試合は、4-1でLOSCが勝利。

他の欧州リーグと比べて守備的で、得点が少ないと言われるフランスリーグの試合で、

両チーム合わせて5点もゴールが決まり、内容的にも非常におもしろい試合でした。


すごくいい試合を観れてご機嫌の山田と菅谷は、その後、街へと繰り出しました。

クリスマス前ということもあり、街はクリスマス一色。

Lille Grand Placeという広場には巨大な観覧車、クリスマスツリー、

クリスマス市場などが設けられ、多くの人で賑わっていました。


クリスマスを前に賑わう広場

また、駅からこの広場へとつながる大通りには、こんな綺麗なイルミネーションが。


大通りを彩るイルミネーション


何かに似てるな…。

あ、神戸のルミナリエや。

ふと、遠き故郷の神戸を思い出しました。

ちなみに神戸の名物といえばゴーフルですが、ここリールの名物もゴーフルなんです。

この街には、どこか神戸との共通点も多い気がします。

ちなみのちなみに…

現在、僕は兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の友好交流事業の一環で、

日仏交流コーディネーターとしてセーヌ・エ・マルヌ県に派遣されているわけですが、

今年度から、ここリール市を県庁所在地とするノール県でも全く同じ事業がスタートするようです。

確か兵庫県のHPで見た募集要項には、12月からの派遣とあったので、

試験に合格された方はもう派遣されてるんかな?

僕の後任となるセーヌ・エ・マルヌ県の日仏交流コーディネーターの募集も

そろそろ始まるということなので、詳細がわかり次第、またここで告知できればと思っています。


さてさて、旅に話を戻しまして…

お腹ペコペコの僕らは、広場近くのレストランに入りました。


地ビールを片手にご満悦の山田氏。


のどの渇きを潤そうと、フランス北部の地ビール「CH'TI」をグビッと一気。

「Ch'ti」とはこの地方に住む人々を指す言葉で、

数年前に「Bienvenue chez les Ch'tis」という、ここ北フランスを舞台にしたコメディ映画が

フランスで空前の大ヒットを記録し、この言葉が一躍市民権を得ました。

方言や訛りを笑いのもとにしているため日本語に訳しづらく、

日本人とフランス人の笑のツボも違うせいか、日本では公開されていないようですが…。

あ、何を食べたかはもはや記憶にございません。

覚えているのは美味しかったことと、店員のお姉さんが可愛かったことだけ。


一目惚れした店員のお姉さんと一枚。

お姉さんは、「お待たせしてるわね。もうちょっと待ってね」とか「美味しかった?」とか、

横を通る度に、僕らに気をかけてくれました。

彼女だけでなく、リールの人は優しくて温かい人が多く、

人が冷たいパリとは違って人情味があるなと感じました。

それから、リールは人口22万人のうち、9万人が大学生という学生の街でもあり、

若い人が多く、活気に溢れている印象を受けました。


会計時に、次回の来店時に無料でシャンパンがもらえるクーポン券をくれたお姉さん。

なかなかの商売上手。そんなところも嫌いじゃないです。


さて、今回リールに足を運んだのには、サッカー以外にもう一つ目的がありました。

それは、パリのルーブル美術館に次ぐフランス第二の美術館とされている

リール市立美術館に行くことでした。

ここで開催されているバベルの塔の特別展に行きたかったのです。


リール市立美術館

ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」

「バベルの塔」とは、旧約聖書の創世記に登場する巨大な塔のことで、

「人々が天まで届く塔を作ったことで、神の怒りを買い、塔は壊され、

さらにそれまでひとつだった言葉はバラバラにされてしまう」という神話です。

16世紀の画家、ピーテル・ブリューゲルが描いた絵画が有名です。

何を隠そう私、部屋にこの絵の巨大パズルを飾るほどのこの絵のファンでございます。

この絵を見ながら、高層ビルに代表される都市の近代化や、

バラバラになった言葉を繋げる意味を考えたりしました。


さてと、楽しかったリールでの時間も残りわずか。


カフェにておどける菅谷氏


余った時間をのんびりとカフェで過ごし、帰りの電車の時間を待ちます。

「この街、ベリーマッチだったね」と菅谷氏。自分で言って自分で笑い転げていました。

「せやな」とだけ返しておきました。


腹を抱えて笑う菅谷氏


しかし、菅谷氏が腹を抱えて笑った数分後、私は頭を抱えることになります。

最後の最後にやらかしました。

帰りの電車の時間は20時41分。

私、20時45分だと思っていました。

そのわずかな誤差に気づいたのが20時38分。

「焦ったら負け」とか意味のわからんモットーが口癖の菅谷氏を急がせて、

駅に着いたのが20時41分。

今まで散々遅れてやって来て僕を困らせてきたフランスの電車ですが、

この時ばかりは定刻きっちりに出発していきました。

2012やってもうたオブザイヤーに決定。

「きっとこの街が僕らを帰さへんかったんやなぁ。もう一泊する?」なんて言いながら、

そそくさと次の列車の切符を買いました。


みなさん、フランスの魅力はパリだけではございませんよ。

リールはパリからTGVで1時間で着きますので、

フランスへお越しの際は是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

ただし、その際は、帰りの電車のお時間をしっかりご確認ください。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士