2012年12月20日木曜日

ありんこが、運んでいるのは、エサと夢。

小学校一年生の時の話。

給食の時に、向かいにありちゃんっていう女の子が座ってました。

「ありはありでもすごく可愛いありは誰でしょう?」ってクイズを出したら、

ありちゃんが泣き出して、先生にめちゃくちゃ怒られました。

ありんこの動き、特にエサをどこに持っていくのかを観察するのが好きでした。

なぜこいつらはエサをすぐには食べずに女王蟻に献上するのかと不思議に思いました。

ありんこを数匹と土を瓶に入れて、井の中の蛙ならぬ「瓶の中のありんこ」の世界を作るのが好きでした。

ありんこは踏んでも死なないので最強やと思ってました。

どうも山田です。

ちょっと前になりますが、Melunという街に行ってきました。

Melunはセーヌ・エ・マルヌ県の県庁所在地です。

日本で言う県庁はフランスでは県議会にあたります。

僕が兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の友好交流事業の一環で来ているということで、

セーヌ・エ・マルヌ県議会にお邪魔して、大勢の議員さんたちの前でご挨拶をしてきました。




右がヴァンサン・エヴレ県議会議長(日本で言うところの県知事にあたります)で、

左がジェラール・ウード副議長(僕の働くセーヌ・エ・マルヌ経済振興公社の理事長でもあります)。

議員さんや関係者の方々が50名以上いて、ちょっと緊張しましたが

(そういう時はありんこだと思うようにしています)、なんとか無事にご挨拶できました。

「フランスのため、日本のため、日仏両国をつなげられるように頑張りたいと思います。

そのためにいっぱいいっぱい、働きありのごとく働きます!!」

と言うと、みなさん拍手喝采で歓迎してくださいました。


そして、この日の午後からは、マルヌ・ラ・ヴァレ大学での二回目の日本文化の講義がありました。




前回よりちょっと増えて、100人近くの人が集まってくれました。

よく考えたら、100匹のありんこが僕を見てると思うと逆に怖いなと思って、

ありんこだと思う作戦はやめにしました。

初回だった前回は、日本がどういう国なのかを大まかに紹介しましたが、

今回からは、毎回テーマに沿って日本を紹介していきます。

様々なテーマを通して日本を見ることで、日本人について、

その特徴や国民性を感じ取ってもらいたいと考えています。

さて、今回は「津波とフクシマ ―日本社会への衝撃―」と題して

2年前の東日本大震災とそこから生じた様々な問題についてお話しました。





今回の講義にあたっては、非常にデリケートで複雑な問題ですから、

僕自身が理解できていないと伝えることは出来ませんでしたので、

渡仏前から色々と調べたり本を読んで勉強したりしていました。

本当に働きアリのごとく勉強して調べて準備しました。

実際にどのようなことを話したかについては、

(何しろ2時間の講義ですから)話せば長くなってしまいますので割愛させていただきますが、

色々と調べていく中で、僕自身知らずに驚いたことや感じたことが多くありましたので、

これからの講義も含めて、みなさんに紹介する場を作れればと思っています。

ただ一つだけ。

原発事故の当事国である日本が、いくつもの原発の下に活断層があると判明した現在でも、

いまだにハッキリと原発廃止を宣言できていないのはいささか胸苦しい気持ちです。

原発がある限り同じような事故が起きる可能性は尽きないし、

核がある限りそれを使った戦争が起こる可能性は尽きません。

原爆と原発事故の被害を経験している我々日本人がそれらの恐ろしさを伝えていかなければ、

一体誰が伝えることができるのでしょうか。

人間と原子力が共存できないという例は、原爆と原発事故でもう十分ではないでしょうか。

原子力は人間を破滅の穴へと陥れる蟻地獄のようなものです。

最後はこじつけ。

マヤ文明の人類滅亡説の前夜に。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月18日火曜日

箱の中、詰まっていたのは、母の優しさ。

フランスでは「今週の金曜日に世界の終りが来る」と言ってみんなざわざわしてます。

調べてみたら、マヤ文明によって示された人類滅亡の日だそうです。

みんな、「土曜日からバカンスなのに!!せめてバカンスが終わってからにしてよ!!」って言ってます。

そういう問題ではないですよね?笑

どうも、山田です。

先日、日本から荷物が届きました。母からでした。

大きな段ボール、中を開けると…

セーター、ジャケット、ジャージなどの防寒具、

お菓子、おうどん、お味噌汁、お餅などの食料品、

重くて持ってこれなかったフランス語の参考書、辞書などの本。

その中にこんなものが。




高校時代から、つまり10年以上ずっと使っているジャージなんですが、

ポッケの上に大きな穴が開いてて、もう家でしか着てなかったんです。

何でこんな穴の開いたジャージ送ってきたんや、と思って箱から出すと、

穴の開いてた部分がきれいに縫ってありました。

ほんまに母にだけは頭が上がりません。


僕の家庭は決して裕福ではなかったけれど、

それでも母は常に僕の好きなようにさせてくれました。

レベルの高い高校でサッカーがしたいと、お金のかかる私立高校に行くと言った時も、

ヨーロッパでサッカーがしたいと、フランスにサッカー留学すると言った時も、

フランス語をもっと勉強したいと、京都の大学に行くと言った時も、

大学4回生の時には就活せずにまたフランスに留学すると言いましたが、

母が僕の決断に反対したことは一度たりともありませんでした。

だから僕はこんな自由に人生を冒険できたのだと思います。

あまり口に出すことはありませんでしたが、母に対する感謝を忘れたことはありません。

誰よりも尊敬する、自慢の母です。


箱の中にはさらに、こんなクリスマスカードまで入っていました。




荷物だけでもほんま感激して嬉しかったのに、

さらになんか泣けるようなことでも書いてあるんやろか?と思い、カードを開くと…





だよーんちゃうねん!!

サンタがどしゃ降りって何やねん!!笑

そもそもなんでミナミやねん、家神戸やないか!!笑

ほんまに、我が母ながら天才やと思いました。

きちんとオチをつけてくるあたりさすがです。

色んな意味でこの人にだけは勝てないな、と改めて実感しました。


金曜日に世界が終わられては困ります。せめて僕が親孝行の一つでもしてからにして。

おかん、ありがとう。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月17日月曜日

日曜日、ちいさな足と、まるい球。

時が経つのが早過ぎて困っています。

寿命を半分縮めてもらっていいから、その分一日を倍に伸ばしてもらえないかな。

どうも山田です。

さて、今日は日曜日の僕の活動について少しご紹介します。

実は、パリ在住の日本人の子供たちのサッカーチームから「子供たちにサッカーを教えないか」とお話をいただきまして、

まだまだ「コーチ」やなんて大きな声では言えないほど未熟者ですが、

毎週日曜日に子供たちにサッカーを教えています。







幼稚園児から中学生まで、全員で150人以上の子供がいます。


正直なところ、最初はお断りしようかと思っていました。

週末は友達と遊んだり、どっか旅行に行ったり、あるいは体を休める時間にしたかったので。

でもやっぱり僕も根っからの「サッカー馬鹿」です。

子供たちが楽しそうにボールを追いかけてる姿を見ると、いてもたってもいられませんでした。

僕をここまで育ててくれたのは「サッカーとおかん」やと思っています。

仲間を思いやること、他人に敬意を持つこと、モノを大切にすること、努力すること、

信じること、諦めないこと、希望を持つこと…などなど、

サッカーに教わったことは数え切れません。

サッカーに助けられ、サッカーに苦しめられ、サッカーで喜び、サッカーで泣く、

それがぼくの青春時代でした。

本当に20歳頃までの僕の頭にはサッカーしかなくて、

だからテレビゲームやマンガ、アニメ、お洒落、女の子との色恋沙汰など、

普通の思春期が夢中になるものが僕にはありませんでした

(今でもそれらに疎いのはそのせいです)。

それらで得られる楽しさや喜びはすべてサッカーで得られたからです。


これから、毎週日曜日の少ない時間ではありますが、子供たちとサッカーをすることで、

技術を教えたりはもちろんですが、サッカーの楽しさを感じてもらえればと思います。


それでは、昨日あったクリスマス会での山田とサンタのコラボでお別れです(笑)



メリークリスマス!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月12日水曜日

街中の、ドラマにもれなく、音がつく。

フランスのテレビってあんまり面白い番組がない。

アメリカのドラマとかよくやってるけど好きやないし。サッカーも地上波じゃあんまりやらへんし。

おかまのスタイリストが太ったおばさんを変身させていく番組とかあるけど。

つなぎ着たおでぶのおばちゃんが家を改造していくビフォーアフター的な番組とかもあるけど。

僕が見てるのはショートコメディと映画ぐらいかな。後はニュースとか見てます。

どうも山田です。

あ、あと、アナウンサーのお姉さんが可愛いときは番組が面白くなくても見ます。

さてさてそんな中、フランスで人気の、僕も大好きな番組が帰ってまいりました。




「Nouvelle Star(ヌーヴェル・スター)」という歌手を発掘するオーディション番組です。




7000人の候補者全員を、この4人の審査員が裁いていきます。

毎週少しずつ人数が減らされていき、最終的に優勝できるのは一人だけ。

優勝したらどうなるのか?何がもらえるのか?…は知りません。名誉ですよ名誉。

でも、毎年のようにこの番組からトップ歌手が出てきます。

素人目にもわかる歌唱力を持つ人が出てきたり、

すごい音痴なのに自信過剰な人がが出てきたり、

それに色んな歌を新たに発見できるからおもしろいです。

素人がオーディションを勝ち抜いていって歌手に近づいていくドラマを見届けることができるので、

視聴者は自分のお気に入りを応援し、あたかも自分が育てたかのような気分になるのです。

音楽っていいなと思います。

ところで、フランス、特にパリは音楽の街です。

街にはいたるところに音楽が溢れています。



駅では南米系の音楽団
(一番左と右から三番目が二つの楽器を担当しているところから察するにこれでも人数不足)


地下鉄の中(なんかアコーディオンと服、顔が全部白黒で揃えてきた感あり)



平日のショッピングセンターでは少年が(あれ?学校は?)


日曜日は教会の下でおっちゃんバンド
(ラスト一曲!!って言うてから「CDを買って欲しいの歌」を3回歌ってました)


というわけで僕も笛でも吹いてみようかと…。



ぴ~ひゃらら。ってなんでやねん!!

・・・

失礼いたしました。みなさんの苦笑いが目に浮かびます。

これはグレック(もしくはケバブ)というサンドイッチです。




グレックっていうのは「ギリシアの」って意味なんですけど、確かトルコの料理です。

パンに野菜を詰めて、さらにそれが見えなくなるまでてんこもりにお肉を突っ込んだサンドイッチです。

もれなく大盛りのポテトもついてきます。

もれなく胃がもたれます。

3回に1回は腹壊します。

それでもまた行きたくなる、憎めない味です。

音楽の話してたのに結局今日も食べ物の話になってしまいました。

遅れてきた食欲の秋。

食いしん坊万歳!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月11日火曜日

空腹は、カニカマごときで、満たされず。

一年しかないフランスでの生活、一日たりとも無駄にしたくないので、

絶対に風邪をひかない!!と心に決めておりました。

「馬鹿は風邪ひかない」っていうし、俺も馬鹿になろう!!と。

ただ、心に決めただけで、風邪対策は一切していませんでした。

ほんまもんの馬鹿だったみたいです。

ついに風邪をひいてしまい、丸二日外に出ておりません。

最後に外に出たのは見習いDJとパリをお散歩した土曜日でした。

日曜日の予定をキャンセルしてもらい、月曜日のお仕事を休ませてもらい、ずっと寝ていました。

現在火曜日の朝5時30分です。寝すぎて寝れませんでした。

あ、どうも山田です。

いつものコーヒーがうんと渋く感じます。

お砂糖切らしてるから。

そう、買い物に行けてないから食べるものがない。

で、冷蔵庫に唯一残ってたんがこれ…カニカマ!!




実はフランスって日本と肩を並べる「カニカマ」大国なんです。

スーパーに行ったら「カニカマ」がいっぱい置いてあります。

ちなみにフランスでは「SURIMI」っていいます。

完全に日本語の「すり身」から取ったやん。

でもこれ、マヨネーズにつけて食べたらおいしいですから。

さらにレモンぎゅってしぼるとさらにおいしさ増します。

カニカマサラダなんてのもあって、ヘルシー指向の女の人に人気です。

そういやカニカマで思い出したけど、この前、お昼ごはん買おうと思ってスーパーに行きました。

3ユーロ(300円)のカップ麺を買うつもりが、

レジに並んだ時には10ユーロ(1000円)もするコレ握ってました。




誘惑に負けて買ってしまったようです。

んで、会社に持って帰って食べたら、シャリが不味いのなんの!!

なんかさ、たぶん、力任せに強く握りすぎやねん。

寿司職人やないから知らんけどさ、あれってもっと心こめて握るもんやん!?

まぁ実際に握るところ見てへんから知らんけどさ。

っていうか僕のような庶民が食べるお寿司なんて大概シャリ握ってるのは機械ですけどね。

あぁお寿司食うためだけに日本に帰りたい。ついでにうどんも食べたい。

頑固な寿司職人が心を込めて握ったシャリと、

その上に乗っかる漁師さんが釣り上げた生きのいい魚のコラボレーションを味わいたい。

いや、もう何でもいい。何か食べたい。

とりあえず夜が明けたら、頑固なパン職人が焼いたクロワッサンを、

無愛想なパン屋のおばさんから買って食べます。

おかげさまですっかり元気になりました。

さあ再出発。

2012年12月9日日曜日

黒髪に、積もる初雪、ジェル溶かす。

パリは、今週になって一気に寒さが増しました。




いつも家の窓から見える殺風景は、一面雪景色になりました。

もう寒くて寒くて、指も凍りついて動かない。

動かない指ではパソコンで文字も打てずブログも書けず…。

嘘です。動かなかったのは指ではなくて脳でした。ちょっくらおサボりしておりました。


ちなみに「サボる」という日本語は実はフランス語から来ています。知ってました?

もともとは「木靴」という意味の「sabot(サボ)」という言葉があり、

昔、労働者が木靴で機械を壊して仕事ができないようにして、労働ストライキをしたことから、

「sabotage(サボタージュ)」という「破壊、妨害;手抜き」という言葉が出来ました。

日本語の「サボる」はここから来ています。

はい、長々と言い訳してみました。

ご無沙汰しています。山田です。

書くことが溜まっています。


さて、ご無沙汰している間に、髪を切りました。

フランスに来たら「アラブ刈り」にしようと思っていました。

「アラブ刈り」とは、僕が勝手にネーミングした髪型で、アラブ系の人たちがよくしてる髪型です。

ちなみに、Googleで「アラブ刈り」と検索したら、

一番上に大学時代の僕の留学レポートが出てきます。

気になる方は検索してみてください。

学生時代にニースに留学してた時にこの髪型にして大評判だったので、

今回もこれにしようかと思っていたのですが、

こっちで知り合った日本人の友達が美容師をしているというので、

今回は彼にお願いすることにしました。





まこと君です。

僕と同い歳の86年生まれ。いわゆる黄金世代。

香川の小豆島出身の彼の口癖は「まいど!」です。

たぶん関西弁を馬鹿にしてます(笑)

彼もサッカー好きなんで気が合います。

まぁ彼はPSGのファンらしいんでその辺は合わないですけど。

(僕がどこのファンなのかはあえて言いません。とりあえずパリでは肩身が狭い!!)


髪切ってもらってからシャンプーもしてもらったんやけど、

なぜかこの日に限ってお湯が出ないとのことで、水で頭洗われました。

「覚悟してや」って言われたから、「俺も男や!!男は我慢や!!」って気合い入れましたが、

思ったほどでした。逆に頭皮が刺激されて気持ちよかったです。

とにかく、いい感じにカットしてもらったんで満足です。

まだカリスマ感はないまことですが、そのへんの自称カリスマ美容師よりはいい腕してます。

いいハサミさばきしてます。たぶん。


やっぱりこっち在住の日本人にとっては散髪って大変やと思います。

言葉がうまく通じなければ、どんな髪型にしたいのか伝えられないのはもちろん、

「大丈夫大丈夫。」っていうフランス人の自信がその技術に比例してないこともありますから。

そんな時はパリのオペラ界隈にある「エレガントハウスフジイ」さんへ是非。

宣伝しといたからマージンいただかないと!!笑