2013年4月2日火曜日

四月馬鹿、情けをかけて、嘘と得。

この度、私、山田剛士は、FCバルセロナへ入団することが決まりました。




嘘です。

今日一日中、何の嘘をつこうか考え続けた末、

エイプリルフールが終わる30分前にようやく思いついたのがこのしょうもない嘘です。

そんなことはどうでもいいんです。

さっきね、家の横にあるホテルの前で見知らぬ黒人に声かけられました。

「すいません。ちょっといいですか?」

「なになに?」

「私、この辺の者やなくて、パリに住む者なんですけどね、

実はね、昨日終電なくしてしもうてここのホテルに泊まったんですわ。

んで、ホテル代払うたら、帰りの電車賃が足りなくってもうたんですわ。

4.8ユーロ足らないんですわ。お願いしますわ、4.8ユーロあったらいただけませんやろうか。

もうここで2時間もいてるんですけど、誰も話を聞いてくれやしませんねん。」

「ちょっと待ってや。」

僕は鞄の中をゴソゴソして、小銭を探しました。

そして、4.2ユーロを差し出しました。

「ちょっと足らへんけど。」

「いえいえありがとうございます。お礼といってはなんですけど、よかったらこれどうぞ。」

といって、7.6ユーロする映画館のチケットを2枚くれました。

得してるやん。




「情けは人の為ならず」とはまさにこのことですね。

ちなみに、「情けは人の為ならず」って言葉、

「情けをかけることは結局はその人の為にならない」という意味だと誤解しがちですが、

本当は、「人に情けをかけておくと、巡り巡って結局は自分の為になる」という意味ですからね。

「情けをかけるのは人(他人)の為ではなく、自分の為」だということです。

常にそういう心持でいたいものですね。

フランスにはお金や物をねだってくる物乞いが多いし、お金の為に人を騙す人だっている。

今回も、彼が本当のことを言っていたのかはわかりません。

おや?

ちょっと待てよ…。

あ、今日、エイプリルフールやん。まさか…。

あ、どうも山田です。取り乱しております。

エイプリルフールはフランスで生まれた習慣だそうです。

昔、ヨーロッパでは4月1日が新年だったのですが、

16世紀に、シャルル9世というフランスの王様が新しい暦を採用し、

現在の1月1日を新年としました。

これに反発した一部の国民が、4月1日を「嘘の新年」として、馬鹿騒ぎを始めました。

これに怒った王様は騒いだ人たちをみんな処刑してしまいます。

それを嘆き悲しんだ人々が、この出来事を忘れないようにと、

毎年4月1日に嘘をついたりジョークを言い合ったりしたのが、

エイプリルフールの起源とされています。

もっとも、確証はなく一つの説にすぎないそうですが。

また、フランスではエイプリルフールは「Poisson d'avril(ポワソン ダヴリル)」と言います。

ポワソンは魚、アヴリルは4月、つまり「4月の魚」という意味になります。

あんまり関係ないけど、歌手のアヴリル・ラヴィーンの名前は、ここから来ているそうです。

フランス人の父親が名付けたそうなのですが、実際は彼女は9月生まれだそうです。

話が脱線しましたが…

フランスでは、4月1日に、魚の絵をこっそり他人の背中に貼り、からかって楽しみます。

なぜ魚なのか…。

昔、4月になると魚が産卵期に入るということで、漁獲が禁止されていました。

その為、漁師はみな、3月中に獲れるだけの魚を獲ってしまうのです。

漁獲期間最終日である4月1日に、それを知らずに空バケツで漁から帰った人をからかい、

川に魚を放ってわざと釣らせてあげた、というのがその始まりだそうです。

恐らく、前述の出来事と合わさって、現在の風習となっているのでしょう。

で、本当にそんな風習があるのか?と疑問に思った僕は、

検証するためにパリへと向かいました。

しかし、どこにもそんな魚の絵を貼られた人はいませんでした。

見つけたのは、道に落ちていた「こんにゃく」の空きパックぐらいでした。




「なんでフランスにこんにゃく?」とか思いません。「なんで魚やないの?」と思いました。

家に帰ってジャケット脱いだら魚の絵が!!!

…なんてこともありませんでした。残念。

どうやら学校や家庭で子供たちが楽しむ風習のようです。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

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