2012年12月20日木曜日

ありんこが、運んでいるのは、エサと夢。

小学校一年生の時の話。

給食の時に、向かいにありちゃんっていう女の子が座ってました。

「ありはありでもすごく可愛いありは誰でしょう?」ってクイズを出したら、

ありちゃんが泣き出して、先生にめちゃくちゃ怒られました。

ありんこの動き、特にエサをどこに持っていくのかを観察するのが好きでした。

なぜこいつらはエサをすぐには食べずに女王蟻に献上するのかと不思議に思いました。

ありんこを数匹と土を瓶に入れて、井の中の蛙ならぬ「瓶の中のありんこ」の世界を作るのが好きでした。

ありんこは踏んでも死なないので最強やと思ってました。

どうも山田です。

ちょっと前になりますが、Melunという街に行ってきました。

Melunはセーヌ・エ・マルヌ県の県庁所在地です。

日本で言う県庁はフランスでは県議会にあたります。

僕が兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の友好交流事業の一環で来ているということで、

セーヌ・エ・マルヌ県議会にお邪魔して、大勢の議員さんたちの前でご挨拶をしてきました。




右がヴァンサン・エヴレ県議会議長(日本で言うところの県知事にあたります)で、

左がジェラール・ウード副議長(僕の働くセーヌ・エ・マルヌ経済振興公社の理事長でもあります)。

議員さんや関係者の方々が50名以上いて、ちょっと緊張しましたが

(そういう時はありんこだと思うようにしています)、なんとか無事にご挨拶できました。

「フランスのため、日本のため、日仏両国をつなげられるように頑張りたいと思います。

そのためにいっぱいいっぱい、働きありのごとく働きます!!」

と言うと、みなさん拍手喝采で歓迎してくださいました。


そして、この日の午後からは、マルヌ・ラ・ヴァレ大学での二回目の日本文化の講義がありました。




前回よりちょっと増えて、100人近くの人が集まってくれました。

よく考えたら、100匹のありんこが僕を見てると思うと逆に怖いなと思って、

ありんこだと思う作戦はやめにしました。

初回だった前回は、日本がどういう国なのかを大まかに紹介しましたが、

今回からは、毎回テーマに沿って日本を紹介していきます。

様々なテーマを通して日本を見ることで、日本人について、

その特徴や国民性を感じ取ってもらいたいと考えています。

さて、今回は「津波とフクシマ ―日本社会への衝撃―」と題して

2年前の東日本大震災とそこから生じた様々な問題についてお話しました。





今回の講義にあたっては、非常にデリケートで複雑な問題ですから、

僕自身が理解できていないと伝えることは出来ませんでしたので、

渡仏前から色々と調べたり本を読んで勉強したりしていました。

本当に働きアリのごとく勉強して調べて準備しました。

実際にどのようなことを話したかについては、

(何しろ2時間の講義ですから)話せば長くなってしまいますので割愛させていただきますが、

色々と調べていく中で、僕自身知らずに驚いたことや感じたことが多くありましたので、

これからの講義も含めて、みなさんに紹介する場を作れればと思っています。

ただ一つだけ。

原発事故の当事国である日本が、いくつもの原発の下に活断層があると判明した現在でも、

いまだにハッキリと原発廃止を宣言できていないのはいささか胸苦しい気持ちです。

原発がある限り同じような事故が起きる可能性は尽きないし、

核がある限りそれを使った戦争が起こる可能性は尽きません。

原爆と原発事故の被害を経験している我々日本人がそれらの恐ろしさを伝えていかなければ、

一体誰が伝えることができるのでしょうか。

人間と原子力が共存できないという例は、原爆と原発事故でもう十分ではないでしょうか。

原子力は人間を破滅の穴へと陥れる蟻地獄のようなものです。

最後はこじつけ。

マヤ文明の人類滅亡説の前夜に。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月18日火曜日

箱の中、詰まっていたのは、母の優しさ。

フランスでは「今週の金曜日に世界の終りが来る」と言ってみんなざわざわしてます。

調べてみたら、マヤ文明によって示された人類滅亡の日だそうです。

みんな、「土曜日からバカンスなのに!!せめてバカンスが終わってからにしてよ!!」って言ってます。

そういう問題ではないですよね?笑

どうも、山田です。

先日、日本から荷物が届きました。母からでした。

大きな段ボール、中を開けると…

セーター、ジャケット、ジャージなどの防寒具、

お菓子、おうどん、お味噌汁、お餅などの食料品、

重くて持ってこれなかったフランス語の参考書、辞書などの本。

その中にこんなものが。




高校時代から、つまり10年以上ずっと使っているジャージなんですが、

ポッケの上に大きな穴が開いてて、もう家でしか着てなかったんです。

何でこんな穴の開いたジャージ送ってきたんや、と思って箱から出すと、

穴の開いてた部分がきれいに縫ってありました。

ほんまに母にだけは頭が上がりません。


僕の家庭は決して裕福ではなかったけれど、

それでも母は常に僕の好きなようにさせてくれました。

レベルの高い高校でサッカーがしたいと、お金のかかる私立高校に行くと言った時も、

ヨーロッパでサッカーがしたいと、フランスにサッカー留学すると言った時も、

フランス語をもっと勉強したいと、京都の大学に行くと言った時も、

大学4回生の時には就活せずにまたフランスに留学すると言いましたが、

母が僕の決断に反対したことは一度たりともありませんでした。

だから僕はこんな自由に人生を冒険できたのだと思います。

あまり口に出すことはありませんでしたが、母に対する感謝を忘れたことはありません。

誰よりも尊敬する、自慢の母です。


箱の中にはさらに、こんなクリスマスカードまで入っていました。




荷物だけでもほんま感激して嬉しかったのに、

さらになんか泣けるようなことでも書いてあるんやろか?と思い、カードを開くと…





だよーんちゃうねん!!

サンタがどしゃ降りって何やねん!!笑

そもそもなんでミナミやねん、家神戸やないか!!笑

ほんまに、我が母ながら天才やと思いました。

きちんとオチをつけてくるあたりさすがです。

色んな意味でこの人にだけは勝てないな、と改めて実感しました。


金曜日に世界が終わられては困ります。せめて僕が親孝行の一つでもしてからにして。

おかん、ありがとう。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月17日月曜日

日曜日、ちいさな足と、まるい球。

時が経つのが早過ぎて困っています。

寿命を半分縮めてもらっていいから、その分一日を倍に伸ばしてもらえないかな。

どうも山田です。

さて、今日は日曜日の僕の活動について少しご紹介します。

実は、パリ在住の日本人の子供たちのサッカーチームから「子供たちにサッカーを教えないか」とお話をいただきまして、

まだまだ「コーチ」やなんて大きな声では言えないほど未熟者ですが、

毎週日曜日に子供たちにサッカーを教えています。







幼稚園児から中学生まで、全員で150人以上の子供がいます。


正直なところ、最初はお断りしようかと思っていました。

週末は友達と遊んだり、どっか旅行に行ったり、あるいは体を休める時間にしたかったので。

でもやっぱり僕も根っからの「サッカー馬鹿」です。

子供たちが楽しそうにボールを追いかけてる姿を見ると、いてもたってもいられませんでした。

僕をここまで育ててくれたのは「サッカーとおかん」やと思っています。

仲間を思いやること、他人に敬意を持つこと、モノを大切にすること、努力すること、

信じること、諦めないこと、希望を持つこと…などなど、

サッカーに教わったことは数え切れません。

サッカーに助けられ、サッカーに苦しめられ、サッカーで喜び、サッカーで泣く、

それがぼくの青春時代でした。

本当に20歳頃までの僕の頭にはサッカーしかなくて、

だからテレビゲームやマンガ、アニメ、お洒落、女の子との色恋沙汰など、

普通の思春期が夢中になるものが僕にはありませんでした

(今でもそれらに疎いのはそのせいです)。

それらで得られる楽しさや喜びはすべてサッカーで得られたからです。


これから、毎週日曜日の少ない時間ではありますが、子供たちとサッカーをすることで、

技術を教えたりはもちろんですが、サッカーの楽しさを感じてもらえればと思います。


それでは、昨日あったクリスマス会での山田とサンタのコラボでお別れです(笑)



メリークリスマス!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月12日水曜日

街中の、ドラマにもれなく、音がつく。

フランスのテレビってあんまり面白い番組がない。

アメリカのドラマとかよくやってるけど好きやないし。サッカーも地上波じゃあんまりやらへんし。

おかまのスタイリストが太ったおばさんを変身させていく番組とかあるけど。

つなぎ着たおでぶのおばちゃんが家を改造していくビフォーアフター的な番組とかもあるけど。

僕が見てるのはショートコメディと映画ぐらいかな。後はニュースとか見てます。

どうも山田です。

あ、あと、アナウンサーのお姉さんが可愛いときは番組が面白くなくても見ます。

さてさてそんな中、フランスで人気の、僕も大好きな番組が帰ってまいりました。




「Nouvelle Star(ヌーヴェル・スター)」という歌手を発掘するオーディション番組です。




7000人の候補者全員を、この4人の審査員が裁いていきます。

毎週少しずつ人数が減らされていき、最終的に優勝できるのは一人だけ。

優勝したらどうなるのか?何がもらえるのか?…は知りません。名誉ですよ名誉。

でも、毎年のようにこの番組からトップ歌手が出てきます。

素人目にもわかる歌唱力を持つ人が出てきたり、

すごい音痴なのに自信過剰な人がが出てきたり、

それに色んな歌を新たに発見できるからおもしろいです。

素人がオーディションを勝ち抜いていって歌手に近づいていくドラマを見届けることができるので、

視聴者は自分のお気に入りを応援し、あたかも自分が育てたかのような気分になるのです。

音楽っていいなと思います。

ところで、フランス、特にパリは音楽の街です。

街にはいたるところに音楽が溢れています。



駅では南米系の音楽団
(一番左と右から三番目が二つの楽器を担当しているところから察するにこれでも人数不足)


地下鉄の中(なんかアコーディオンと服、顔が全部白黒で揃えてきた感あり)



平日のショッピングセンターでは少年が(あれ?学校は?)


日曜日は教会の下でおっちゃんバンド
(ラスト一曲!!って言うてから「CDを買って欲しいの歌」を3回歌ってました)


というわけで僕も笛でも吹いてみようかと…。



ぴ~ひゃらら。ってなんでやねん!!

・・・

失礼いたしました。みなさんの苦笑いが目に浮かびます。

これはグレック(もしくはケバブ)というサンドイッチです。




グレックっていうのは「ギリシアの」って意味なんですけど、確かトルコの料理です。

パンに野菜を詰めて、さらにそれが見えなくなるまでてんこもりにお肉を突っ込んだサンドイッチです。

もれなく大盛りのポテトもついてきます。

もれなく胃がもたれます。

3回に1回は腹壊します。

それでもまた行きたくなる、憎めない味です。

音楽の話してたのに結局今日も食べ物の話になってしまいました。

遅れてきた食欲の秋。

食いしん坊万歳!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年12月11日火曜日

空腹は、カニカマごときで、満たされず。

一年しかないフランスでの生活、一日たりとも無駄にしたくないので、

絶対に風邪をひかない!!と心に決めておりました。

「馬鹿は風邪ひかない」っていうし、俺も馬鹿になろう!!と。

ただ、心に決めただけで、風邪対策は一切していませんでした。

ほんまもんの馬鹿だったみたいです。

ついに風邪をひいてしまい、丸二日外に出ておりません。

最後に外に出たのは見習いDJとパリをお散歩した土曜日でした。

日曜日の予定をキャンセルしてもらい、月曜日のお仕事を休ませてもらい、ずっと寝ていました。

現在火曜日の朝5時30分です。寝すぎて寝れませんでした。

あ、どうも山田です。

いつものコーヒーがうんと渋く感じます。

お砂糖切らしてるから。

そう、買い物に行けてないから食べるものがない。

で、冷蔵庫に唯一残ってたんがこれ…カニカマ!!




実はフランスって日本と肩を並べる「カニカマ」大国なんです。

スーパーに行ったら「カニカマ」がいっぱい置いてあります。

ちなみにフランスでは「SURIMI」っていいます。

完全に日本語の「すり身」から取ったやん。

でもこれ、マヨネーズにつけて食べたらおいしいですから。

さらにレモンぎゅってしぼるとさらにおいしさ増します。

カニカマサラダなんてのもあって、ヘルシー指向の女の人に人気です。

そういやカニカマで思い出したけど、この前、お昼ごはん買おうと思ってスーパーに行きました。

3ユーロ(300円)のカップ麺を買うつもりが、

レジに並んだ時には10ユーロ(1000円)もするコレ握ってました。




誘惑に負けて買ってしまったようです。

んで、会社に持って帰って食べたら、シャリが不味いのなんの!!

なんかさ、たぶん、力任せに強く握りすぎやねん。

寿司職人やないから知らんけどさ、あれってもっと心こめて握るもんやん!?

まぁ実際に握るところ見てへんから知らんけどさ。

っていうか僕のような庶民が食べるお寿司なんて大概シャリ握ってるのは機械ですけどね。

あぁお寿司食うためだけに日本に帰りたい。ついでにうどんも食べたい。

頑固な寿司職人が心を込めて握ったシャリと、

その上に乗っかる漁師さんが釣り上げた生きのいい魚のコラボレーションを味わいたい。

いや、もう何でもいい。何か食べたい。

とりあえず夜が明けたら、頑固なパン職人が焼いたクロワッサンを、

無愛想なパン屋のおばさんから買って食べます。

おかげさまですっかり元気になりました。

さあ再出発。

2012年12月9日日曜日

黒髪に、積もる初雪、ジェル溶かす。

パリは、今週になって一気に寒さが増しました。




いつも家の窓から見える殺風景は、一面雪景色になりました。

もう寒くて寒くて、指も凍りついて動かない。

動かない指ではパソコンで文字も打てずブログも書けず…。

嘘です。動かなかったのは指ではなくて脳でした。ちょっくらおサボりしておりました。


ちなみに「サボる」という日本語は実はフランス語から来ています。知ってました?

もともとは「木靴」という意味の「sabot(サボ)」という言葉があり、

昔、労働者が木靴で機械を壊して仕事ができないようにして、労働ストライキをしたことから、

「sabotage(サボタージュ)」という「破壊、妨害;手抜き」という言葉が出来ました。

日本語の「サボる」はここから来ています。

はい、長々と言い訳してみました。

ご無沙汰しています。山田です。

書くことが溜まっています。


さて、ご無沙汰している間に、髪を切りました。

フランスに来たら「アラブ刈り」にしようと思っていました。

「アラブ刈り」とは、僕が勝手にネーミングした髪型で、アラブ系の人たちがよくしてる髪型です。

ちなみに、Googleで「アラブ刈り」と検索したら、

一番上に大学時代の僕の留学レポートが出てきます。

気になる方は検索してみてください。

学生時代にニースに留学してた時にこの髪型にして大評判だったので、

今回もこれにしようかと思っていたのですが、

こっちで知り合った日本人の友達が美容師をしているというので、

今回は彼にお願いすることにしました。





まこと君です。

僕と同い歳の86年生まれ。いわゆる黄金世代。

香川の小豆島出身の彼の口癖は「まいど!」です。

たぶん関西弁を馬鹿にしてます(笑)

彼もサッカー好きなんで気が合います。

まぁ彼はPSGのファンらしいんでその辺は合わないですけど。

(僕がどこのファンなのかはあえて言いません。とりあえずパリでは肩身が狭い!!)


髪切ってもらってからシャンプーもしてもらったんやけど、

なぜかこの日に限ってお湯が出ないとのことで、水で頭洗われました。

「覚悟してや」って言われたから、「俺も男や!!男は我慢や!!」って気合い入れましたが、

思ったほどでした。逆に頭皮が刺激されて気持ちよかったです。

とにかく、いい感じにカットしてもらったんで満足です。

まだカリスマ感はないまことですが、そのへんの自称カリスマ美容師よりはいい腕してます。

いいハサミさばきしてます。たぶん。


やっぱりこっち在住の日本人にとっては散髪って大変やと思います。

言葉がうまく通じなければ、どんな髪型にしたいのか伝えられないのはもちろん、

「大丈夫大丈夫。」っていうフランス人の自信がその技術に比例してないこともありますから。

そんな時はパリのオペラ界隈にある「エレガントハウスフジイ」さんへ是非。

宣伝しといたからマージンいただかないと!!笑



2012年11月15日木曜日

寒空で、待てども待てども、白い息。

カフェにて。店員は中国人。

店員 「いらっしゃい」

山田 「こんにちは」

店員 「あんた中国人じゃないね」

山田 「日本人ですけど」

店員 「だから中国人じゃないって言ったじゃない」

山田 「は、はい」

店員 「モンゴル人?」

山田 「いや、日本人言うたやん」

店員 「ふーん。あたし中国人」

山田 「コーヒー一杯。」

店員 「はいよー!!」

よくわからないやり取りでした。


確かに高校時代に「モンゴル人」ってあだ名されたことはあったけども…

あ、どうも山田です。


今日は仕事でMeaux(モー)という街に行ってきました。

地図で見たら家からそんなに遠くないのに、

実際行くにはだいぶ遠回りしないといけない片田舎の街です。

最初の乗り換えで電車が30分遅れ、

やっと乗った電車は降りる駅の100メートル手前で15分立ち往生し、

二回目の乗り換えでも電車は30分遅れる。

結果、だいぶ余裕を持って家を出たのに、45分遅れで到着。

いやいや、後で笑える話ならええけど、ネタにもならへん。

仕事に支障がなかったのが不幸中の幸い。

午前のうちにMeauxでの仕事が終わって、会社に戻ろうと駅へ。

しかし待てども待てども電車が来る気配がない。

駅員さんに聞くと「17時まで電車はない」とかぬかしよる。

さすがにここまで来ると笑える。

線路の工事の為にここ数日は朝と夜しか電車は動かないとのことです。

工事…夜中にやれよ。

日本では線路工事も道路工事も夜中にやることが多いですが、

こっちではそんな「お客様」重視の考え方はありません。

「客」に対する概念が違うのだと思います。

「もの(サービス)を売る者」と「もの(サービス)を買う者」を対等に見ているように感じます。

「お金」をもらうから「もの(サービス)」を売る。

それ以上の、「客の喜びのために頼まれてもないのに無償でサービスをする」なんてことはない。

もちろん業種にもよるし、会社にも、人にもよるので一概には言えませんが。

でもそう考えると、日本の「おもてなし」「ホスピタリティ」は

世界に誇れる素晴らしい精神だと改めて感じます。


とにかく電車がないので、あきらめて観光。

ということで大聖堂に行ってみました。






荘厳のひとこと。

車もクレーンもない時代にどうやってこれを建てたのだろうか。




中はこんな感じ。

大聖堂の中は、どこもそうですが、静寂で、どこか神秘的な雰囲気があります。

風がなく、無機質なこの空間で人は神と一対一になります。

自然に囲まれた日本の神社とは正反対です。

ここにもまた、日本とフランスの違いについてのヒントが隠されているような気がします。



それでは、Meauxの街で見つけたおかしな一枚で今日はお別れです。




歩行者用の信号の位置、絶対おかしいから。


2012年11月5日月曜日

シロクマに、描かれた文字から、広がる世界

月曜日の憂鬱な朝に、爽やかなパリの風をおすそわけ。

山田のぶらりパリ散歩旅のお時間です。

写真を中心にお楽しみください。

さて、今日はどこに行こうかな?

と、向かった先は…




そう、みなさんご存知エッフェル塔です。

形といい色といいやっぱり絵になります。

エッフェル塔の麓にあるシャン・ド・マルス公園には、くまさんがいっぱいいました。




Buudy Bearという世界平和を願った団体の展示会だそうで、

世界各国のデザインを身に纏ったくまさんがずらりと並んでいました。

それではその一部をご紹介しましょう。



イタリアのくまさん。カラフル。



アメリカのくまさん。自由の女熊。



地元フランスのくまさん。豪華。



ボリビアのくまさん。ってかもはやくまではない。シーサーに近い。



そして我らが日本のくまさん。ザ・シンプル。

右手に日の丸、身体には和歌が描かれています。









思わず横にいたおばちゃんに、

「すみません、写真を一枚撮っていただけますか?」とお願いしてしまいました。

「あらいいわよ、いいの一枚撮ったげる!」と心よくOKしてくれたおばちゃんでしたが、

携帯カメラの使い方全くわからず四苦八苦していました…。

「おかしいわね、画面が消えちゃったわ!!」

いや、おばちゃん、そこ電源ボタンやから…。

3枚のブレブレ写真、2枚のおばちゃんの手、1枚のおばちゃんの自撮り、

そして1枚の完璧なやつ撮ってくれました。

ありがとう、おばちゃん!!

自撮りは消しとくね。


ちなみに、描かれているのは森鴎外の

「まばらなぬ びんを秋風 ふく頃を わかゆと夢に 君は見つとや」という和歌で、

「夢の中で、私はまだ若く、私を見る君の髪を秋風がなびかせていた」といった意味だそうです。


そういえば、前回から、ブログのタイトルを五七五の川柳にしています。

タイトルをつけるのに毎回悩んでいたんですけど、

何かおもしろいテーマを決めてやりたいなと思って。

川柳とか俳句って「五七五」の17文字しか使えません。

すごく短い文で、そこからは最小限の情報しか与えらないわけですが、

それだからこそ、そこから情景が浮かんできます。

読み手の想像力でいくらでも世界が広がっていきます。

僕のタイトルからは…広がるかな?笑




それでは、エッフェルとセーヌに沈む夕陽のコントラストで今日はお別れです。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年11月3日土曜日

靴下の、泡に映った、母の労


さっき気づいた…。

うちの台所の蛇口、青い方に回したら熱いお湯出て、赤い方に回したら冷たい水出る。

こんなことあり得る!?

いやいや欠陥もええとこやでこれ!!

あれかな?お茶目なフランス人の悪戯なんかな?


あ、どうも欠陥住宅在住の山田です。


僕は学生寮に住んでいて、部屋にキッチンもトイレもシャワーも付いています。

洗濯機だけは共同です。


洗濯をしようと共同ランドリーに行きました。

しかし洗濯機は動かない。

壁の貼り紙には「洗濯をするにはmoneoが必要です」って書いてある。

moneoとは、10年以上前に登場したのに全く普及していないクレジットカードの一種。

やれやれ。

銀行で申し込みをして、一週間後にmoneoが届きました。

これで洗濯できる。

共同ランドリーに行き、moneoを機械に挿入しました。

しかし機械は受け付けない。

なんでやねん。断念。

フランス人の友達にその話をすると…

「ちゃんとmoneoのチャージした!?」

「え…!?これチャージ式なん!?」

「うん。」

なるほど。

銀行に行って、チャージ機にmoneoを挿入しました。

しかしチャージ機は受け付けない。

銀行のお姉さんに聞くと、「え?できないの?私もなぜかわからないわ。」

と、お手上げでお蔵入り。

結局使えへんのかい!!


というわけで、毎日服を手洗いしています。

穴の開いた靴下をゴシゴシしながら、遠き日の故郷の母を思い出します。

思えば、サッカー少年だった僕が毎日毎日ドロドロに汚して帰る靴下やユニフォームを

母は手洗いしてくれていました。

そのまま洗濯機に入れれば泥が詰まってしまうし、泥汚れは落ちにくいからでしょう。

しかも、僕だけではなく弟二人もサッカーをしていたし、妹もお転婆だったし、

その手洗いの量は想像がつきません。

僕がここまで来るのには、陰に偉大な母の苦労があったのだと、やっと気づきました。

洗濯機が使えないのは、

「ありがとう」もろくに言わなかった過去の自分に対する罰なのかもしれません。


便利さの中では気づかないそのありがたさは、不便さを経験することで気づくことができます。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年11月2日金曜日

サムライ

「日本にはまだサムライがいるのか?」と聞かれたので、

「僕の名前は剛士、『強い侍』の意味なんだ!!」と言っておきました。

「じゃあ君がラストサムライか!!」

「ははは」

誰が渡辺兼やねん。


毎度、山田です。

そういえば、アホなことばっかり書いて、僕の仕事について全然書いてませんでした。

というわけで、今日は僕の仕事のひとつである、

「フランスの大学で日本についての講義をすること」について、

先日、第一回目の講義があったので紹介したいと思います。


講義をするのはマルヌ・ラ・ヴァレ大学という総合大学で、

この講義は学生はもとより一般の方でも誰でも受けることができます。

ただ、受けたからといって単位をもらえるわけではありません。

つまり、僕の講義次第で、減りもするし増えもするわけです。

ただ、初回の講義には80人もの学生が集まってくれました!!






「日本を発見しよう!!―日本と日本人の特徴―」と題した第一回目の講義。

初回ということで、まずは「自己紹介」と、「日本とはどんな国なのか」をおおまかに紹介しました。





フランス対日本の試合も紹介しました。

日本がフランスに勝っちゃったので、若干のブーイングを浴びました。


用意していたシナリオのデータを講義の直前に消してしまう。

マイクの音が出ず、大きな声で話さなければいけない。

僕が自己紹介で話そうと思っていた経歴を、大学側の担当者が全部言ってしまう。

などなど、相変わらずトラブル続きでしたが、なんとか無事に終わりました。

大学側も「初回にしては上出来!!」「ユーモアもあって素晴らしかった!!」などなど、称賛を浴びせてくれました。

この人たちは僕が「褒めれば伸びるタイプ」だと知っているのかな?

次回以降は、毎回ひとつのテーマに沿って「日本」を紹介していく予定です。

この講義を通して、一人でも多くのフランス人に「日本の魅力」「本当の日本」について知ってもらいたいと思います。


フランス人はもちろん、世界中の人々は自分の国に誇りを持っています。

しかし、昨今、日本人はその誇りを失いかけているように思います。

東日本大震災での被災者の冷静な行動を最初に報じたのは海外メディアでした。

世界が日本人を絶賛しました。

それを知った日本のメディアが「海外では日本をこう評している」と報じ、

それを見た我々は「素晴らしい」と思い、日本人であることを誇ったはずです。

つまり、日本人がその誇りを取り戻すためには、世界から評価される必要があるのではないか。

そのために、海外で日本のことを伝えることは大きな意味のあることだと思っています。

この講義が「日本人が『誇り』を取り戻す」ための一助となることを信じています。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年10月29日月曜日

もう一人の冒険者


今日から夏時間(サマータイム)が終わり、冬時間となりました。

しかし、一時間進むのか、あるいは一時間戻るのかがよくわからず、

てんやわんやしてしまった僕です。

算数は苦手。

あ、どうも山田です。


さて、このブログでは、僕のフランスでの生活や仕事の話だけではなく、

僕が出会う「フランスで頑張っている日本人」を紹介したいとも思っています。


というわけで第一弾。

僕の可愛い後輩を紹介します。

アメリです。




見ての通り(?)、日本とフランスのハーフです。

アメリは僕の大学時代の後輩で、現在はスイスに近いアヌシーという街に住んでいます。

10日ほど前の話になりますが、アメリがパリに来ているということで会いに行ってきました。

久しぶりに会ったけど変わってなかったな。

滞在しているパリのアパートに招いてくれ、日本食をご馳走してくれました。

豆腐ハンバーグ、大根の煮物、味噌汁、そして白ごはん。

これがまた美味しくて美味しくて!!

写真がないのが残念です(撮るの忘れてました)。

お互いの近況や昔の思い出話をつまみに、高そうなワインを一本空けてしまいました。

コートダジュールが紫に染まったあのニースの悲劇を思い出しました。

アメリもお酒に強くなったもんや。


さて、彼女は環境学を勉強しているそうなのですが、

「環境学」を学問として捉えるより、様々な体験を通して、環境問題を肌で感じながら、

いわば「現場主義」のやり方で、この壊れゆく自然をいかに守ってゆくかを学んでいるそうです。

この日ご馳走してくれた食材も、

有機栽培農家での体験実習の際にいただいてきたものを使ってくれました。

21世紀は「エコの時代」と言われていますが、この地球をこの自然を守っていくために、

「日本人の自然に対する考え方」がすごく大きなヒントになると思います。

彼女がこれから環境学という分野でどんなことをしていくのか楽しみです。


寒い冬が明けたらアヌシーに遊びに行きたいと思います。

寒いのは苦手。


アメリ、ありがと。

2012年10月28日日曜日

ユニクロ

誰やねん!!

俺の肩に鳥の糞つけたやつは!!

まぁ十中八九鳥やろうけど…。


あ、どうも僕です。


せっかくの土曜日、しかも晴れてるのに暇やなぁ何しよっかなぁ…

ってなことでパリに行きました。

「迷った時はパリ」、これが郊外っ子の典型的な思考でございます。

いやしかし一歩外出たら寒いのなんのって!!

今日の最高気温8度ですって!!

冬やん!!

エッフェル塔のところでのんびりひなたぼっこでもしようと思ってたけど無理!!

せや、服買いに行こう!!

ってなことでパリのユニクロへ。

しかし…







この人だかり…。

「スペインのZARA、スウェーデンのH&M、アメリカのGAP、forever21、そして日本のユニクロと、

いわゆるファストファッションというのが世界的に流行している。

その中でもユニクロは機能的で質の高い商品を出しているから人気なんだ」

と、人だかりの中の一人のお兄さんが全身adidasのお友達に熱弁しておりました。

なるほど。

でもこんな寒い中行列に並ぶの嫌やし、

フランス人の作る列はぐちゃぐちゃでどこが最後尾かよくわからん。

断念してお家に帰りました。


で、どこかで鳥の糞をつけて帰ってきたわけです。

とほほ…。

新しい服買お。

2012年10月21日日曜日

じゃがいも

ショッピングセンターにて、ほどけた自分の靴紐にひっかかっておもいきり転びました。

見事なヘッドスライディングでした。

七転び八起きの精神で頑張っています。

さて、こっちではもちろん自炊生活なんですが、僕、パスタしか作れないんです。

でも料理のできる男はモテると聞いたもんで、モテたい一心でスーパーへ走りました。

そして、これなら何か出来そう!!と見つけたのはジャガイモ。 

これだけの量で300円でした。




さすがはフレンチポテトのお国。

さて、この大量のジャガイモをどう料理してやろうか…。

とりあえずあてもなく皮をむいてみました。

しかし、じゃがいもの皮と一緒に自分の指の皮もむいてしまい、悶絶の末、やり場のないこの怒りを(自分でやったのですが)ジャガイモにぶつけてやりました。

釜茹での刑に処した後、ボコボコに潰してやりました。

そしたらこんなんできました。



レシピなんてない、まさに男の料理です。

でもこれが、まさかの美味しかったんで、僕の味覚もどうかしてるなと思いました。

2012年10月16日火曜日

ゴミ

怒っています。

今朝、部屋を出ると…




ドアの前にゴミ!!

誰やねん!!

なんでやねん!!

日本がフランスに勝ったからかな?

それとも、俺、いじめられてんのかな?笑

2012年10月14日日曜日

ニッポンのイッポン

金曜日、パリ郊外のサンドニにあるスタッド・ド・フランスで、サッカーフランス代表対日本代表の試合がありました。

もちろん、三度の飯よりサッカー好きな僕が行かないわけがありません。

ってなことで、ニース時代からの親友で現在はパリにいるアレックスを連れて行ってきました。




なんと、アレックスは初のサッカー観戦。

フランスはイタリアやイングランド、ドイツ、スペインなどの近隣国と比べればサッカーに対する人気はそこまで高くありません。

特に最近では、フランス代表選手の素行が問題視されていて、サッカーは好きでもフランス代表は…という人も少なくない。

それでも約6万人の観衆がスタジアムに集まりました。




試合は、フランスが攻め日本が守るという展開ながらも、0-0で迎えた試合終了間際に香川真司が決勝点を決めて、なんと日本代表が勝利!!


 


まさにフランスの「個」と日本の「組織」がぶつかり合う試合だったように思います。

フランスでは「自分がどうしたいのかを自分で考える」ことが重視され、

逆に日本では「集団の中でどう上手くやっていくか」ということが重視される。

サッカーというスポーツが面白いのは、それぞれの国民性が顕著に見られることだと思います。



翌日のレキップ紙(フランスのスポーツ新聞)には、「日本の一本勝ち」という見出しが一面に踊りました。




終始劣勢にまわりながらも、耐えて耐えて一瞬の隙をついて決勝点を奪った日本の勝利はまさに一本勝ち。

非常に的を得た表現に思います。

もっとも、内容的には一喜一憂できない部分もありますが、勝ちは勝ち。

試合の日に、上司のエロディに「今日は日本が勝つ!」と言うと馬鹿にされたので、月曜日に彼女がどんな顔をして来るのか楽しみです。



2012年10月9日火曜日

ナゲット

先日、マクドでご飯食べてたら、10歳ぐらいの男の子が僕のところにやってきました。
僕のチキンナゲットを指差して、「これくれませんか?」と言うのです。
「Non!!」と丁重ににお断りすると、「でも僕、食べるものがなくて…」ときた。
よく見ると、服は薄汚く、その顔には少年らしい無邪気さや健気さなどまるでありませんでした。
ナゲットをひとつあげると、「ありがとう」と一言残して去っていきました。
マスタードつけんでよかったんかな?

同じ日、駅を出ると、黒人が猛ダッシュで駅に向かっていました。
「あぁ電車に乗り遅れそうなんかな?」なんて思っていると、その後をものすごい形相の中国人が追いかけている。何か叫びながら。
「泥棒だ!!泥棒だ!!」
尖閣は日本のものですが、その黒人が盗ったものは中国人のものです。

次の日、全く同じ場所で、30歳ぐらいのおじさんが逮捕されていました。
なんでか知らんけど。たぶん車上荒らし。

たぶんこの国では、「生きる」ためにみんな必死なんだろうと思います。
安全で便利、それが当たり前な日本の環境とは違う国で、学ぶことや気づくことは少なくないと思います。

とにもかくにも、僕はこんな治安の悪いところに住んでいます。
トラブルに巻き込まれぬよう、出来る限りお家に引きこもります。

とか何とか言いながら、引きこもるつもりなんてさらさらない。
ちょっと危なっかしいほうが冒険っぽいやん!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2012年10月1日月曜日

はじまり。

みなさん、こんにちは。
本日より日仏交流コーディネーター(旧称日本文化教師)としてフランスのセーヌ・エ・マルヌ県へ派遣されます山田剛士と申します。

いきなりですが…何事もはじめは上手くいかないものです。
仕事も、勉強も、恋愛も、人生も、そしてブログも。
はい。何を書いたらよいのやらさっぱりわかりません(笑)

それでは、「日仏交流コーディネーターってなに?」というみなさんの疑問にお答えすることから始めましょう。

兵庫県とフランス セーヌ・エ・マルヌ県との友好交流事業の一環で現地に派遣される日仏交流コーディネーターの任務は次のとおりです。

1. セーヌ・エ・マルヌ経済振興公社でアシスタントとして働くこと。
2. マルヌ・ラ・ヴァレ大学で日本文化の講義をすること。
3. 現地小学校で日本文化を通した体験授業をすること、および現地小学校と兵庫県内の小学校の交流をさせること。
4. 兵庫県パリ事務所のお手伝いをすること。
6. マルヌ・ラ・ヴァレ大学で専攻学科の授業を受講すること。
7. 現地での様子をブログで配信すること。

いっぱいあります。忙しくなりそうですが、頻繁にブログは更新していきたいと思っています。

このブログでは、僕のフランスでの日々を通して、フランスの情報を発信していきますが、たまにどうでもいいことも書きます(笑)
みなさん、いっぱいコメントください。

フランス到着まであと12時間。経由地韓国にて。

日仏交流コーディネーター
山田 剛士