2013年8月31日土曜日

バカンスだ、フライブルクへ、フライアウェイ。

フランスでは7月から8月にかけてバカンスの時期に入ります。

人によって、あるいは会社によっても異なりますが、各々3週間から1か月ほどの長期休暇を取ります。

この時期になると、「バカンス」という言葉が耳にタコができるほど入ってきます。

「お前はバカンスにどこに行くんだ」といった類の質問は10回以上受けました。

しかし、一般のフランス人とは雇用形態が異なる僕にはバカンスはありません。

でも、そんな楽しそうな話を聞いていると、旅に出たくなりました。

というわけで、8月中旬の金曜日に休みをいただき、土日を含めて2泊3日でちょっくら旅に出ました。

今回の旅先は、フランスのアルザス地方のストラスブールとコルマール、そしてドイツのフライブルク。

まずはドイツのフライブルクという街へ。

フライブルクはドイツ南西部に位置し、フランスおよびスイスとの国境に近く、

人口約22万人(日本の都市と比べるならば兵庫県宝塚市と同じくらい)の街。

またフライブルクは、環境先進国ドイツの中で「環境首都」と呼ばれ、

環境保護で先進的な取り組みをしている街として世界的にも有名です。

知識こそ浅はかですが、環境問題に興味があり、数年前からずっと行ってみたかった街でした。


フライブルクに着いて、まずは街を散策。


街のあちこちに「緑」があって、さすがはエコの街だなという印象を抱きました。

こんなお家もありました。


遠い故郷の甲子園球場を思い出しました。

旧市街の中心に大きな大聖堂がそびえるように立っていました。


中はこんな感じで、まさに「荘厳」のひとこと。


1354年に建設が始まり150年以上かけて建てられたというこの大聖堂は、高さが116メートルもあるそうです。

若干ひんやりとした大聖堂から外に出ると、自己主張の激しいギラギラした太陽にやられました。


暑いのなんの眩しいのなんの。

しかし、ふと下に目をやると、こんなのが。


旧市街にはあちこちに水路が流れていて、見ているだけで涼しい気持ちになりました。

これもエコの一環なのでしょうか。


さて、お腹が空いたなということで、夕食を食べにレストランに。

ドイツといえばやはりソーセージ。

しかし、メニューを見ても何が何やらさっぱりわからない。

なので、店員さんに「ユー ハヴ ア ソーセージ?」と拙い英語で聞きました。

店員のお兄さんが「こいつ何言うてんねん」って感じで聞き返してきたので、

「ソーセージ!!うーん…ウインナー!!ウインナー!!こんなやつ!!」ってボディランゲージも交えて言うたけど通じず…。

えー!?ドイツ語でソーセージはソーセージって言わへんの!?

(後でドイツ語に堪能な友達に聞くと、ドイツ語では「ソーセージ」でも「ウィンナー」でもなく「ヴ―スト」と言うそうです。)

仕方なく、唯一メニューから読み取れたスパゲッティにしたら全然おいしくなかったし。とほほ。

すると、横からフランス語が聞こえてきました。

隣のテーブルではフランス人のおばちゃんがご飯食べてたんですが、

そのおばちゃんはドイツ語も英語もしゃべる気なし。フランス語の一点張り。

さすがフランス人。

しかし、さっきの店員さんがカタコトながらフランス語で対応してるっていう…。

フランス語で言うたらいけたんかいっ!

しかもその席にソーセージ持ってきよった!

ソーセージあるんんかいっ!もう遅いわ!!

悔しかったので、食後にテイクアウトのソーセージパン食いました。


ソーセージはしわしわやし、パンはめっちゃ固い。

けどこれが何か知らんけどめっちゃ美味い!

あぁやっとドイツに来たって感じになれました。

いいお口直しになりました。

それにしても、「言葉」って大事やなと思いました。

何書いてるんかわからん、何言うてるんかわからんってのがこんなに大変やとは。

普段、フランスで過ごしていると感じることの出来ない感覚でした。

パリで道に迷いメニューに困る日本人観光客の辛さがようやくわかりました。


さてさて、そうこうするうちに日が暮れて夜になりました。

夜の街を路面電車が走っています。


路面電車はエコな街づくりに効果的な乗り物だそうです。

路面電車が街を走ることによって、自動車の侵入を規制することができ、

電車ですから、バスと違って排気ガスを出すこともありません。

また、普通の電車とは違ってスピードは出ませんが、危険度が少ないため、鉄道を敷いたり柵で囲ったりする必要がなく、景観が損なわれません。

なるほど、環境保護のために色々と考えられて街が作られてるんやな。

最後に、僕のちょっと真面目臭い戯言にお付き合いください。

エコの世紀だと言われる21世紀になって早13年が過ぎました。

地球環境は悪化していくばかりです。

度重なる地震、火山の噴火、温暖化、異常気象など、みなさんも地球の異変を薄々感じているのではないでしょうか。

決して他人事ではありません。

自分たちの子供や孫の世代にこのまま汚れたままの壊れかけた地球を残すのか…。

日本人は古来より自然を神として尊び崇めてきました。

その精神は今も我々の中に残っているはずですし、

自然を大切にするための知恵や工夫は今も日本の社会に多く見られます。

日本人こそが世界に自然の大切さを発信し先導していかなければならないのではないでしょうか。

そんなことを考えながらホテルへと向かう道を歩いていましたが、

ふと空を見上げると、空一面にきれいに光る星が広がっていました。

フライブルクは大都市ではありませんが田舎というわけでもなく、環境保護に努めているからこそ星もきれいに見えるのかもしれません。

都会で生まれ育ってきた僕は、これほどの星を今まで見たことがありませんでした。

感動してしばらく星空を眺めていると、いくつも流れ星が見えました!

いやぁ旅するっていいね。

つづく…


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

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