2013年1月6日日曜日

新年も、社会の窓も、あけまして。

今ね、隣の部屋の男の子がやって来て、新年の挨拶に来てくれたんやけど、

何か僕の下半身見られてるなぁと思ったら、社会の窓が全開でございました。

年明け早々お粗相をかましました。

あ、あけましておめでとうございます。山田です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始と色々なイベントがあって忙しく、ついついご無沙汰してしまいました。

その分、いっぱい書くことがありますので、

年明けからエンジン全開でブログ更新していきたく思います。


さて、ちょっと前になりますが、日本から友人がやって来ました。

ご紹介します。菅谷氏です。


ノートルダム寺院をバックになぜかファイティングポーズをとる菅谷氏。




菅谷氏は大学時代の友人で、同じクラスで4年間フランス語を勉強した仲間です。

フランス語に関してはまだまだですが、

僕が教え込んだ「Rの発音」だけは素人の域を超えています。

また、大学時代に僕が所属していたサッカーサークルのキャプテンでもありました。

最後の大会で僕を前半だけで交替させたことはいまだに根に持っています。一生持ちます。

大学卒業後は、乳児用品でおなじみのピジョンに就職し、

現在は故郷の京都から遠く離れた千葉で一人暮らし。

その寂しさから毎晩枕を涙で濡らしているそうです。

スズメの涙とはごくわずかなもののたとえですが、

ピジョンの菅谷はよく泣きます。安い涙です。

(本人曰く)チュートリアルの徳井、関ジャニの村上に似ています。

関西で全くウケなかった「なんでもかんでも語尾にポン酢をつける」というギャグを

関東で流行らせようとした結果、甚大な被害をもたらしました。

被害に遭われた方、この場を借りて僕の方からお詫び申し上げます。

菅谷、関東はポン酢より醤油の方がええんちゃうか?

ちなみに、菅谷氏は世界一の大通りであるシャンゼリゼ通りで社会の窓が全開でございました。


さて、そんな菅谷を連れて、クリスマス前の週末にLille(リール)という街に行ってきました。

フランス北部のNord-Pas-de-Calais地方の中心都市で、ベルギーとの国境にほど近い街です。


リール・フランドル駅


基本的に僕の旅はサッカーを抜きにしては成り立ちません。

ということで、今回の旅の一番の目的はLOSC(Lille Olympique Sporting Club)

というサッカーチームの試合を観ること。

LOSC(※ロスクと読む)は近年着実に力をつけてきたチームで、

2010-2011シーズンにはリーグ戦で57年ぶりの優勝を果たしています。

エリック・アビダル(現バルセロナ)、ジェルビーニョ(現アーセナル)、

ヨアン・キャバイエ(現ニューカッスル)、エデン・アザール(現チェルシー)ら、

現在欧州のビッグクラブで活躍する選手を輩出しています。

また、フランスでは2016年に欧州選手権が開催されるということで、

各地でスタジアムの建設、改修が盛んに進められており、

このLOSCの本拠地であるグラン・スタッド・リール・メトロポールも

昨年7月に完成したばかりのおニューのスタジアムです。


4万5千人の観衆で埋め尽くされたグラン・スタッド・リール・メトロポール


赤いユニフォームを身に纏ったLOSCの攻撃


この日は年内最後のリーグ戦で、

一昨シーズンのチャンピオンであるLOSCと昨シーズンのチャンピオンのモンペリエが対戦。

約4万5000人の観衆を前にホームのLOSCが優勢に進めた試合は、4-1でLOSCが勝利。

他の欧州リーグと比べて守備的で、得点が少ないと言われるフランスリーグの試合で、

両チーム合わせて5点もゴールが決まり、内容的にも非常におもしろい試合でした。


すごくいい試合を観れてご機嫌の山田と菅谷は、その後、街へと繰り出しました。

クリスマス前ということもあり、街はクリスマス一色。

Lille Grand Placeという広場には巨大な観覧車、クリスマスツリー、

クリスマス市場などが設けられ、多くの人で賑わっていました。


クリスマスを前に賑わう広場

また、駅からこの広場へとつながる大通りには、こんな綺麗なイルミネーションが。


大通りを彩るイルミネーション


何かに似てるな…。

あ、神戸のルミナリエや。

ふと、遠き故郷の神戸を思い出しました。

ちなみに神戸の名物といえばゴーフルですが、ここリールの名物もゴーフルなんです。

この街には、どこか神戸との共通点も多い気がします。

ちなみのちなみに…

現在、僕は兵庫県とセーヌ・エ・マルヌ県の友好交流事業の一環で、

日仏交流コーディネーターとしてセーヌ・エ・マルヌ県に派遣されているわけですが、

今年度から、ここリール市を県庁所在地とするノール県でも全く同じ事業がスタートするようです。

確か兵庫県のHPで見た募集要項には、12月からの派遣とあったので、

試験に合格された方はもう派遣されてるんかな?

僕の後任となるセーヌ・エ・マルヌ県の日仏交流コーディネーターの募集も

そろそろ始まるということなので、詳細がわかり次第、またここで告知できればと思っています。


さてさて、旅に話を戻しまして…

お腹ペコペコの僕らは、広場近くのレストランに入りました。


地ビールを片手にご満悦の山田氏。


のどの渇きを潤そうと、フランス北部の地ビール「CH'TI」をグビッと一気。

「Ch'ti」とはこの地方に住む人々を指す言葉で、

数年前に「Bienvenue chez les Ch'tis」という、ここ北フランスを舞台にしたコメディ映画が

フランスで空前の大ヒットを記録し、この言葉が一躍市民権を得ました。

方言や訛りを笑いのもとにしているため日本語に訳しづらく、

日本人とフランス人の笑のツボも違うせいか、日本では公開されていないようですが…。

あ、何を食べたかはもはや記憶にございません。

覚えているのは美味しかったことと、店員のお姉さんが可愛かったことだけ。


一目惚れした店員のお姉さんと一枚。

お姉さんは、「お待たせしてるわね。もうちょっと待ってね」とか「美味しかった?」とか、

横を通る度に、僕らに気をかけてくれました。

彼女だけでなく、リールの人は優しくて温かい人が多く、

人が冷たいパリとは違って人情味があるなと感じました。

それから、リールは人口22万人のうち、9万人が大学生という学生の街でもあり、

若い人が多く、活気に溢れている印象を受けました。


会計時に、次回の来店時に無料でシャンパンがもらえるクーポン券をくれたお姉さん。

なかなかの商売上手。そんなところも嫌いじゃないです。


さて、今回リールに足を運んだのには、サッカー以外にもう一つ目的がありました。

それは、パリのルーブル美術館に次ぐフランス第二の美術館とされている

リール市立美術館に行くことでした。

ここで開催されているバベルの塔の特別展に行きたかったのです。


リール市立美術館

ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」

「バベルの塔」とは、旧約聖書の創世記に登場する巨大な塔のことで、

「人々が天まで届く塔を作ったことで、神の怒りを買い、塔は壊され、

さらにそれまでひとつだった言葉はバラバラにされてしまう」という神話です。

16世紀の画家、ピーテル・ブリューゲルが描いた絵画が有名です。

何を隠そう私、部屋にこの絵の巨大パズルを飾るほどのこの絵のファンでございます。

この絵を見ながら、高層ビルに代表される都市の近代化や、

バラバラになった言葉を繋げる意味を考えたりしました。


さてと、楽しかったリールでの時間も残りわずか。


カフェにておどける菅谷氏


余った時間をのんびりとカフェで過ごし、帰りの電車の時間を待ちます。

「この街、ベリーマッチだったね」と菅谷氏。自分で言って自分で笑い転げていました。

「せやな」とだけ返しておきました。


腹を抱えて笑う菅谷氏


しかし、菅谷氏が腹を抱えて笑った数分後、私は頭を抱えることになります。

最後の最後にやらかしました。

帰りの電車の時間は20時41分。

私、20時45分だと思っていました。

そのわずかな誤差に気づいたのが20時38分。

「焦ったら負け」とか意味のわからんモットーが口癖の菅谷氏を急がせて、

駅に着いたのが20時41分。

今まで散々遅れてやって来て僕を困らせてきたフランスの電車ですが、

この時ばかりは定刻きっちりに出発していきました。

2012やってもうたオブザイヤーに決定。

「きっとこの街が僕らを帰さへんかったんやなぁ。もう一泊する?」なんて言いながら、

そそくさと次の列車の切符を買いました。


みなさん、フランスの魅力はパリだけではございませんよ。

リールはパリからTGVで1時間で着きますので、

フランスへお越しの際は是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

ただし、その際は、帰りの電車のお時間をしっかりご確認ください。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

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