2015年1月18日日曜日

朱の門に、いくたの願い、結い集う。

お正月は、日本人にとって数少ない長期休暇の一つです。 
旅行に出かける人もいますが、たいていの人は故郷で過ごすのではないでしょうか。
お正月のメインイベントといえば、やはり「初詣」でしょう。

僕は毎年同様、地元神戸の生田神社を参拝しました。

生田神社にて
神社に祀られている神様は神社によって異なりますが、ここ生田神社には「稚日女尊(わかひるめのみこ)」という神様が祀られています。

この神様は、伊勢神宮に祀られる太陽神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の幼名とも、妹とも言われます。

生田神社の創建は西暦201年と伝わり、日本書紀にも登場する神話に由来します。

その年、神功皇后(じんぐうこうごう; 第14代仲哀天皇の后)が朝鮮へ出兵した帰り、現在の神戸港のあたりで船が動かなくなってしまいました。
そこで占いを行ったところ、稚日女尊が現れて「この神戸の地に自分を祀って欲しい」と仰られました。

この稚日女尊を祀るために創られたのが生田神社なのです。

また、生田神社は、もとは六甲山の麓にあったとされています。

それが、799年に起こった大洪水の後、現在の場所に移されました。

その際、もとの境内に多くあった松の木が洪水を防がなかったことから、この神社では松を嫌います。

そのため、ここでは正月に飾られる松飾り(門松)の代わりに杉飾りが飾られています。

杉飾り

生田神社は神戸の中心街である三宮のド真ん中に位置します。

というより、この神社の周辺に街が作られたと言った方が正しいのですが。
「神戸」という地名もまた、この神社に由来します。

その昔、神社に仕える人(神職)のことを神戸(かんべ)と呼んでおり、この神社の周りに神職が多く住んでいたことからその名がつけられたのです。


さて、朱色の鳥居をくぐり境内へ入ると、まずは神様が祀られている本殿へ向かいます。

鳥居

本殿の中へは特別な許可がなければ入れませんので、本殿正面の軒下にて、二礼二拍手一礼の作法で、神様に新年の挨拶をします。

本殿
  
挨拶に加えて、新年の抱負や願い事を述べます。

ただ、挨拶なしでいきなり「こうこうして欲しい」などと願い事を述べても、神様とて気分は良くないでしょうから、効果は期待できません。

しかし、あれほど多くの人の願い事を聞くわけですから、神様もさぞ大変でしょう。

まぁそれができるから神様なのかもしれませんが。

ちなみにここ生田神社にはおよそ155万人、日本で最も多いのは明治神宮で約300万人が初詣に訪れるそうです。


さて、続いては、新年の運勢を占うためにおみくじを引きましょう。

まずは巫女さんから小さな穴の開いた箱を受け取ります。


穴から細い棒を出し、そこに書いてある数字を伝えれば、巫女さんが結果の書かれた紙をくれます。


おみくじ

この紙には、全般的な運勢の良し悪しが「大吉、吉、中吉、小吉、凶」によって示されているほか、
願事、失物、旅行、商売、学問、恋愛、転居、出産、病気、結婚などなど、様々な点についての運勢が書かれています。
この紙は持ち帰ってもいいですが、多くの人は神社の境内にある木などに括りつけて帰ります。

これには諸説あるようですが、神様との縁を「結ぶ」という意味合いがあり、縁起のよいことだとされます。


木に括られたおみくじ

獅子の尻尾にも

さて、本殿への挨拶とおみくじを引き終えれば、これで初詣は終了。

あとは、境内を散歩するなり、写真を撮るなり、お好きなように。

絵馬を書くのもお正月らしくていいですね。

絵馬の表面には、その年の干支が描かれており、裏面に願い事などを書いて奉納します。


絵馬


また、生田神社には毎年、巨大な絵馬が奉納されています。

巨大絵馬

今年の絵馬は羊。

羊と言えば、眠れないときにに数える動物です。

最近は、夢のない時代などとも言われ、若者でも夢を持たない人が多いように感じます。

羊年の今年は、たくさんの人が夢を見れるような明るい年になればいいですね。


さて、初詣を終えて家に帰る途中でひと騒動ありました。

人通りの多い三宮の中心街のど真ん中に、財布が落ちていたのです。

ここがフランスだったら、「新たな持ち主」に拾われるのに3秒とかからないでしょう。

しかし、ここは世界で最も治安のよい日本。 

通りゆく人は落し物気づけども見て見ぬふり。

自分のものにするつもりもなければ、警察に持って行くのも面倒くさいのでしょう。

最終的に、この黒猫の柄が入った財布は僕の手に収まりました。



欧米では、黒猫を不吉な動物とする地域もありますが、日本では魔除けや幸運の象徴とされ、縁起のよい動物とされます。

なので、僕にもきっと幸運なことが起こるはず。

もちろん、財布はきちんと交番に届けました。

悪銭身につかず」です。

この財布の持ち主が引いたおみくじには、「失物」の欄に間違いなく「すぐに見つかる」と書いてあったはず。

もしかしてと思い、僕が引いたおみくじを見てみると、「失物」に「見つかるが役に立たない」とありました。

案の定。。。


山田 剛士

2015年1月15日木曜日

青い葉に、そまる新年、縁起よし。

あけましておめでとうございます。

みなさんはお正月をどのように過ごしましたか?

欧米ではお正月はクリスマスのおまけのようなもので、それほど重要なものではありません。
しかし、日本人にとっては一年で最も重要な行事です。
日本人は普段から縁起を担ぐことが好きな民族ですが、とりわけその特徴がいかんなく発揮されるお正月には、あちらこちらで縁起担ぎのオンパレードが目につきます。

それは大晦日から始まります。

大晦日の夜、私たちは夕食もしくは夜食に「年越し蕎麦」を食べますね。

では、なぜ大晦日に蕎麦を食べるのでしょうか。
 
年越し蕎麦

それは、他の麺類と比べるとコシがなく柔らかいために「切れやすい」という蕎麦の特性から、その年の災いや悪いものを「断ち切る」ためで、
さらに、麺類は長いことから、長く生きられるようにという長寿の願いも込められています。

元旦の朝には、食卓の上に重箱が並びます。


豪華なお弁当のようなその箱を開けると、多種多様で彩り鮮やかな料理が敷き詰められています。
お節料理

そう、お節料理です。
中に入っているものは、地方や家庭によって違いますが、縁起のよいものが多く入れられます。
例えば「海老」は、その形から、背が曲がり、髭が長く生えるまで長く生きられるようにという願いが込められています。
海老

お節料理の代名詞的な存在でもある「数の子」は、子宝に恵まれるように。

数の子

昆布は「こぶ」とも読むことから、「よろこぶ」とかけられ、新年が喜びの多い年となるように。

昆布

縁起ものには、このような「言葉遊び」がよく取り入れられ、縁起のよい言葉と同じ、もしくは似ている音を持つものも縁起のよいものとされます。


縁起担ぎは料理だけではなく、飾りものにも表れます。

一番多く目にするのは、玄関のドアに飾る「注連(しめ)飾り」。

注連飾り
  
日本には、古来より、お正月に「年神様」という新年の神様が各家庭にやって来るという言い伝えがあります。

年神様は、サンタさんのようなもので、プレゼントの詰まった袋こそ持っていませんが、幸運をもたらしてくれます。

注連飾りは、その年神様に迷わずに家に来て頂くための目印、あるいは年神様が訪れるに相応しい家だという証として飾られます。

この飾りものは、「ユズリハ」「ウラジロ」「ダイダイ」という3つの縁起もので作られます。

常緑樹、つまり一年中葉が枯れることのないウラジロは、長寿を呼び込む縁起物。

ユズリハは、その名のとおり、新しい葉が出てきて初めて古い葉が落ちていくことから、家系を代々譲っていく様子に見立てたもので、家系の繁栄を表しています。

ダイダイ(橙)は、だいだい(代々)にかかっており、その家が「代々」栄えるよう願いが込められています。

また、注連飾りには、紙垂(しで)という特殊な切り方と折り方をした紙が添えられます。

紙垂

普段は神社の境内によく見られるこの紙は、その形からもわかるとおり、「稲妻」を表しており、悪いものを追い払うための魔除けの効果があるとされます。

また、古くから雷が落ちると豊作になると信じられていたため、豊かさをもたらしてくれる縁起ものでもあります。


飾りものとしては、門の左右に一対ずつ置かれる「門松」もあります。

門松

これも注連飾りと同様に、年神様を招くための目印です。

門松は、常緑樹で冬でも青々としていることから若さと長寿の象徴として祝いの場に頻繁に登場する「松」と「竹」で作られます。

日本は長寿大国で、WHO(世界保健機関)の調査によると、日本人の平均寿命は84歳で世界一だそうです。

発展した医療のおかげか、はたまた縁起担ぎの効果なのか。

一方で、出生率の低下により少子化問題が深刻化しています。
数の子をいっぱい食べなければ。

2015年がみなさんにとって素晴らしい年となりますように。

また、本年も当ブログのご愛読の程をどうぞよろしくお願いいたします。


山田 剛士 

2015年1月13日火曜日

年の瀬に、世相を残す、年を背に。

フランスをはじめ欧米では、若者を中心にタトゥーを入れている人が多くいます。
その中には、漢字でタトゥーを入れている人を頻繁に見かけます。

寿司や漫画と同じくして、漢字もまた数年前から欧米でブームの的となっているようです。

さて、今回は「漢字」について。

「漢字」はおよそ3000年前に中国で生まれた文字です。

漢字が大陸から日本に伝えられたのは5世紀頃で、それまでは文字というものがに日本には存在していませんでした。

それから数世紀後、日本人は漢字の形を基にして、2つの新たな文字を作りました。

それが「ひらがな」と「カタカナ」です。

以来、我々日本人はこれら3つの文字を組み合わせて文章を読み書きしています。

日本語と中国語は似ており、日本人と中国人がそれぞれの言語で会話ができると思っている外国人は少なくありません。

しかし、幸か不幸か、それは間違いです。

同じ漢字を使っているので外国人からすれば似ているように見えるのでしょうが、日本語と中国語は似て非なるもので、フランス語と英語の関係よりも複雑かもしれませんせん。

日本人は中国語で書かれた文章を読むことができないし、逆もまた然り。

いくつか理由はあるでしょうが、「ひらがな」と「カタカナ」の有無が大きいのではないかと思います。

これら2つの文字は日本語において非常に重要な役割を担っています。

「ひらがな」は、動詞の活用や前置詞、あるいは語気の緩和などに使われ、「カタカナ」は外国語の表記などに使われます。

「ひらがな」と「カタカナ」はそれぞれ46字ずつあり、10万字以上あると言われる漢字に比べると覚えるのは屁でもありません。

とはいえ、日本語の文章を読むためには、そのうちの常用漢字2136字を知っていれば十分なので、日本語を勉強している方はご安心を。

「ひらがな」と「カタカナ」は、アルファベットと同じく「表音文字」という種類に属し、一つの文字が一つの音を持ちます。

対して、漢字は「表語文字」の一種で、一つ一つの文字に意味を持ちます。

これこそが、欧米人が「漢字」に対して興味を持つ一つの理由ではないでしょうか。

僕はフランス人に自己紹介する際に、よく自分の名前の由来を説明しています。

『名字の山田は「山にある田んぼ」って意味やねん。たぶん僕の祖先は山に住む農民やったんやろうな。

名前の剛士(たけし)は、「つよい(剛)サムライ(士)」って意味やねん。僕の親はサムライのように強い人間になるようこの名前をつけたんや』などと言っています。

反応はぼちぼち。たまに予想外の食いつき、たまに苦笑をいいただきます。

さて、漢字と言えば、日本では毎年12月にその年を一つの漢字で表す「今年の漢字」が発表されます。

例えば、2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定した昨年の漢字には「輪」が選ばれ、また、東日本大震災が起こった2011年には、「絆」の文字が選ばれました。

この「今年の漢字」の発表は、京都の清水寺で行われます。

日本で最も有名な寺院の一つです。
江戸時代(1603年-1868年)、234人もの人がこの寺の本堂の舞台、地上13メートルの高さから身を投げました。

清水寺本堂


地上から見上げた高さ13メートルの舞台

彼らは絶望して自殺のために身を投げたわけではなく、願いを叶えるために希望を胸に飛び込んだのでした。

実はこの時期に「もし清水寺本堂の舞台から飛び降り、命が助かったならば願いが叶う」という噂というか都市伝説というか迷信のようなものがあったのです。

この高さから飛び降りれば即死でもおかしくなさそうですが、飛び降りた234人のうちの85%にあたる202人が助かったそうです。

彼らの願いが本当に叶ったのかどうかは僕の知るところではありません。

その後、江戸幕府によって飛び降りが禁止されたため、この噂は消えていきましたが、あることわざだけが現在に至るまで残っています。

それが「清水の舞台から飛び降りる」ということわざで、「思い切って大きな決断をする。もしくは大きな決心をして物事を行う」という意味で使われます。


さて、既にご存知の方も多いかとは思いますが、2014年の漢字はというと...
「今年の漢字」 *写真: www.sankei.com

「税」の文字が選ばれました。

4月に消費税が5%から8%に増税されたことが大きな要因でしょう。

フランスと比べると低い税率ですが、フランスには「付加価値税(TVA)」という、政府が現在検討している「軽減税率」にあたるものがあり、日常生活に欠かせないものにかけられる税率が低くなっています。
消費税は、2015年10月からさらに2%を増税して税率を10%に引き上げられる予定でしたが、経済状況が芳しくないことから、政府はこれを2017年4月に延期しました。
増税に関しては賛否両論があり、安倍総理もまた、「清水の舞台から飛び降りる」ような思いで増税の延期に踏み切ったのかもしれません。


さて、みなさんの2014年はどのような年でしたか?また、2015年はどのような年にしたいですか?

漢字一字で下記のコメント欄までどうぞ。


山田 剛士

2014年12月11日木曜日

自転車を、見ているだけです、リフジンな。

僕がこのブログを放置している間に、いつのまにやら木枯らし吹きつける季節となってしまいました。

自転車で走ると、スピードを出せば出すほど冷たい風が体に染みて辛い。

自転車を持っていないのが幸い。

いや持ってへんのかい!というツッコミはコメント欄まで。

さて、以前にこのブログでも書きましたが、日本にはフランス語の名前がついた自転車がいっぱいあります。

※下記リンク参照
http://takeshi-yamada.blogspot.jp/2014/09/blog-post_12.html
http://takeshi-yamada.blogspot.jp/2014/09/blog-post_15.html


最近見つけたのがこちら。


「Quiche(キッシュ)」とは、卵とクリームを使ったタルトのことで、

最近は日本のパン屋さんなんかでもたまに見かけますが、フランスの名物料理の一つです。

でも、日本にあるキッシュって小さくて物足りないよね!という共感はコメント欄まで。

ちなみに、後ろに見えるのはフランス語で「午後」を意味する「Après-midi(アプレ・ミディ)」を冠した自転車。

「自転車」に「午後」も「キッシュ」もまるで似合いませんが、

「午後」に「キッシュ」というのは相性抜群の組み合わせです。


さて、毎日こうしてフランス語の名前がついた自転車を探しながら歩いているのですが、

先日、並んでいる自転車をじーっと見ながら歩いていると、警察の方に「自転車泥棒」と間違われてしまいました。

「実はこういう理由で…」と、携帯でブログを見せると、

「あ、なんや、そういうことか!てっきり自転車を物色してるのかと思ったよ~ははは」と無罪放免。

警察官のおじさんは、僕のブログを読みながら「へ~これおもしろいね~」と絶賛してくれました。

読者様ゲット!

とはいえ、もう自転車泥棒に間違われたくないので、「自転車シリーズ」は今回でラストにします。



そんな今回は、「自動車メーカーの自転車」について。

街にある自転車を見ていると、外国の自動車メーカーがこぞって自転車も出していることに気づいたのです。

まずはこちら。


フランスの自動車メーカー「プジョー(PEUGEOT)」の自転車。

「プジョー」という名前は、創業者の名前が由来なのですが、

知らない人が読むと「プジョット」となりかねません。
フランス語には「単語の最後の文字が子音の場合はその文字は読まない」という原則があります。

なので、「PEUGEOT」 の最後の文字である「T」は発音されないのです。



続いてもフランスの自動車メーカー「ルノー(RENAULT)」。

「ルノルト」ではありません。

先ほどの「PEUGEOT」と同じく、「RENAULT」もまた、最後の子音「T」は読まず、さらにはその前の「L」も発音されないのです。


こちらはドイツの自動車メーカー「オペル」の自転車。

ドイツ語はわかりません。悪しからず。


続いてもドイツ車「フォルクスワーゲン(Volkswagen)」。

さりげなく、横にある「Fromage(フランス語で「チーズ」の意味)」が顔を覗かせています。


お次は、アメリカの自動車メーカー「シボレー(CHEVROLET)」。

手前には、今度は強引に映り込んできた「Fromage」。

しつこいので、ピンボケにしてやりました。

フランス土産にチーズを買って、旅行カバンの中に入れたら、帰ってきて開けた時に強烈なチーズ臭がしたよ!という報告はコメント欄まで。

ちなみに、「シボレー」はアメリカの自動車メーカーですが、その名前はフランス語に由来します。

「PEUGEOT」、「RENAULT」と同様、最後の文字の「T」が発音されません。

フランスでは「シュヴロレ」という発音になりますが、英語では読みにくいらしく、「シボレー」と読むようになったそうです。


そして、最後にこちら。


リムジン。

世の中、色んな自転車があります。

世の中、色んな人がいます。

PS:この流れからすると、テープ剥がしたら「Fromage」なんちゃう?っていうオチの希望はコメント欄まで。


山田 剛士

2014年10月27日月曜日

秋空に、トマトと頬の、赤染まる。

時が経つのは本当に早いもので、僕がフランスから帰国して一年が過ぎました。

長い間フランスに居てたせいか、いまだに日本語がおぼつきません。

先日、カフェにて。

「アイスコーヒーのSサイズください。」と言うつもりが…

「アイスコーヒーの冷たいのください。」と言ってしまいました。

店員さんに「アイスコーヒーは冷たいものしかございませんが?」とツッコまれてしまいました。

さらにその翌日、友人宅での食事会にて。

「トマトはフルーツや!」と主張する友人に対して…

「トマトは果物やろ!」と言ってしまいました。

本当は「トマトは野菜やろ!」と言いたかったのに。

友人に「ほんま相変わらずやな!」と言われて気づきました。

こういう言い間違いが多いのは昔からでした。

そういやこんなこともありました。

5年くらい前に、ローソンにて。

「マイルドセブンください。」と言いたかったのですが…

「セブンイレブンください」と言ってしまいました。

少し間が空いた後、店員さんは「あぁ!」と言って、

「セブンイレブンはあっちです!」とご丁寧にも指でさして教えてくれました。

恥ずかしさに頬を赤らめてセブンイレブンに向かう青年がいたらば、それは僕です。

どうも山田です。


さて、今回はすっかりシリーズ化してしまった「街に溢れるフランス語」の第4弾。

今回は「なんでこんな名前つけてん!」と、ついついツッコんでしまったものをご紹介します。


まずはこちら。


美容室 Elle fou

姫路市で見つけた美容室「Elle fou (エルフゥ)」。

フランス語で「Elle (エル)」は「彼女は」の意味で、

「fou (フゥ)」は「狂った、気違いな」という意味になります。

あえて英語に訳すならば「She crazy」。

英語でいうところの「is」にあたる「est」が抜けているし、

フランス語の形容詞には男性形と女性形があって、主語に合わせて形が変わるので、

正確には「Elle est folle(彼女は気違いだ)」となるのですが、そんなことはどうでもいい…

なんでこんな名前つけてん!


続いてはこちら。
ブティック Soeur de Très Très

大阪・梅田のNU茶屋町で発見したブティック「Soeur de Très Très (スール・ド・トレ・トレ)」。

「Soeur (スール)」は「姉・妹」、「très (トレ)」は「とても」となるのですが、

日本語に訳しようがないので、こちらも英訳してみましょう。

「Sister of very very」

全く意味がわからない…。

「とてもとても」何やねん!


続いてはみなさんも見たことがあるのではないでしょうか。

カフェ Café de crié

全国にチェーン店を持つカフェ「Café de crié (カフェ・ド・クリエ)」。

「crié (クリエ)」は「叫んだ、泣きわめいた」という意味になります。

文法的にもおかしく、友人のフランス人に聞いても「意味不明」だというこの店名。

偶然か必然か、上の写真を撮ったのは兵庫県神戸市内にある店舗。

渦中のあの元議員さんもここで「泣きわめいた」のでしょうか。


最後はこちら。

美容室 LA DEUX CHEVEAUX

関東地方で見つけた美容室「La deux cheveaux」

 いろいろツッコむところがあり過ぎるのですが…

まず「Cheveaux」なる言葉はフランス語には存在しません。

おそらくは「髪の毛」を意味する「Cheveux (シュヴー)」、

もしくは「(複数の)馬」を意味する「Chevaux (シュヴォー)」、

どちらかのスペルを間違えたのだと思われます。

美容室ということを考えると「髪の毛」の方なのでしょう。

しかし、「Cheveaux」の前に「2つの」という意味の「deux」があるので、

仮に髪の毛だったとしても「2本の髪の毛」となり、いずれにせよツッコまざるをえません。

髪の毛が2本しかない人は美容室には来ません。

っていうか髪の毛が2本しかない人は「海平さん」しかいません。


間違いは誰にでもあります。

え?どの口が言うてんねんって?

今後、言い間違いには注意いたします。


山田 剛士

2014年9月15日月曜日

名がつけど、飛ばないチャリは、ただのチャリ。

日本は世界でも有数の自転車大国です。

保有台数は7000万台を超え、日本の人口が約1億3千万人ですから、およそ2人に1人が自転車を持っていることになります。

保有率だけでいうとオランダやドイツの方が多いのですが、欧米で自転車というとマウンテンバイクなどの本格的なものです。

日本ではマウンテンバイクの保有率は11%にしか過ぎず、63%をシティ車(いわゆるママチャリ)が占めます。

つまり、欧米における自転車は余暇や休暇を楽しむための遊び道具であり、日本におけるそれは日常の生活用品であるといえます。

さて、今回は、そんな自転車をピックアップします。

前回の記事では「fromage」つまりフランス語でチーズを意味する名前が付いた自転車をご紹介しましたが、それだけではないのです。

よく見ると、他にもフランス語の名前がついた自転車がいっぱいあります。

「なんでこんな名前つけたん!?」とネーミングセンスを疑いたくなるものばかりですが…。



Avec vent(アヴェック ヴァン)

「vent(ヴァン)」は「風」の意味、「avec(アヴェック)」は「~と共に」とか「~を使って」という意味なので、「Avec vent」で「風にのって」ぐらいの意味でしょうか。

正確には「Avec le vent」となるのですが、自転車らしい爽やかなネーミングかと思います。

ちなみにこの「avec」という言葉、最近の若い世代の方はご存知ないかもしれませんが、数十年ほど前までは「カップル」の意味として日本の街中で普通に使われていました。(*日本語での表記は「アベック」)

皆さんのお父さんとお母さんも、結婚前は「アベック」だったのです。

フランス語の「avec」にはカップルという意味はありませんので悪しからず。

 

Rendez-vous(ランデヴー)

この「ランデヴー」という言葉も先ほどの「avec」と同様、数十年前までは日本語として使われていた言葉で、「デート」という意味でした。(*日本語での表記は「ランデブー」)

本来はフランス語で「人と会うこと」「人と会う約束」という意味で、その「人」は恋人であろうが兄弟であろうが友人であろうが誰でもいいのですが、なぜか「恋人と会うこと」つまり「デート」の意味として使われるようになったのです。

「アメリカ人は金に生き、日本人は仕事に生き、フランス人は愛に生きる」なんて言葉をどこかで聞いたことがあります。

「アベック=カップル」にせよ、「ランデブー=デート」にせよ、「愛」にまつわる言葉がフランス語から来ていたのは、そんなフランス人のイメージのせいなのかもしれません。


そして、それやったら「あれ」もあるやろうと探していたら見つけました…。


Amour(アムール)

そのまんま「愛」の意味です。

しかし、なぜ自転車に「愛」なのでしょうか。

イメージしてください。

夕陽照りつける河川敷に二人乗りで右に左にフラフラしながらゆっくりと前へ進む制服を着た若い男女。

青春を謳歌する若者たちのその自転車に「amour」と書いていたら絵になりません?

ちょっとクサ過ぎるかな(笑)

  

Petit maman(プチ ママン)

「Petit」は「小さな」という意味と、「愛しい」という意味を持ちます。

「maman」は「ママ」というお母さんに対する呼び方ですから、「petit maman」で「愛しのママ」という意味になります。

正しくは「petite maman(プチットゥ ママン)」となりますが、こんな名前が自転車についていれば、お母さんも大変なお買い物に精が出ることでしょう。

まさに主婦の味方。
  


APRES×MIDI(アプレミディ)

正しくは「après-midi」となりますが、「午後」の意味です。

「-」のところをお洒落に(?)「×」としているところがなんか鼻につきます。

でも、認めたくないけど、お洒落な自転車です。

お洒落女子が乗るやつ。

ちなみに、写真の白以外にも黄緑と黄色の存在を確認しております。



Palme d'or(パルムドール)

この「Palme d'or」の意味は、映画好きの方ならご存知かもしれません。

あのカンヌ国際映画祭における最優秀作品賞を「Palme d'or」といいます。

「Palme」は「ヤシの葉」、「d'or」は「金色の」という意味なので、「Palme d'or」で「金のヤシの葉」となります。

受賞者に贈られるトロフィーの形にちなんでそう呼ばれています。

ちなみに、サッカーの世界最優秀選手賞である「Ballon d'or(バロンドール)」は「金色のボール」の意味。

あ、念のため言っておきますが、この自転車はカンヌ映画祭のパルムドールを受賞しているわけではありませんし、受賞作品に登場しているわけでもありませんので悪しからず。



Agenda(アジャンダ)

「Agenda」は「手帳」の意味。

限界です。

 ここまで「なんでこんな名前つけたんや?」っていうネーミングをフォローしてきましたが、これはもう無理です。

なんで手帳やねん!!


そして、最後はこちら。


Avion(アヴィオン)

「Avion」は「飛行機」の意味。

自転車なのに名前は飛行機。

形は自転車やけど飛ぶかもしれへん。


世界の科学技術は恐ろしいほどの勢いで進化しています。

数十年後、自転車が飛ぶようになる日が来るかもしれません。



山田 剛士

2014年9月12日金曜日

はいチーズ、見つけるたびに、パシャリする。

フランスの食べものといえば、皆さんは何を思い浮かべますか?

フランスパン?ワイン?フォアグラ?エスカルゴ?

色々とありますが、やはりフランスといえばチーズでしょう!


最近では日本でもチーズを使った料理が増え、チーズが好きだという人も多いですが、フランスの足元にも及びません。

チーズの年間消費量を比べるとその差は一目瞭然。

日本人のチーズ消費量が一人あたり年間2.4kgなのに対し、

フランス人のチーズ消費量は世界一で、一人当たり年間26.2kg。

なんと日本人のおよそ11倍ものチーズを食べていることになります。

確かに、フランスにはチーズフォンデュやラクレットなどチーズ料理が多いし、色々な料理にチーズを使い、パスタにもひくぐらいチーズをかけます。


しかし、日本にはフランス語でチーズを意味する「fromage」という名前の付いた自転車が溢れています。

シルバー






さらに、このたびfromageにニューデザインが登場しました。

fromageの意味に気付いたのか、ぱっと見英語にも見えるちょっと誤魔化したデザインとなっております。


ニューデザイン緑

ニューデザイン黒

乗ってる人に教えてあげたいけど、そんな勇気ない。

っていうかむしろ僕も欲しい。


山田 剛士