2015年1月15日木曜日

青い葉に、そまる新年、縁起よし。

あけましておめでとうございます。

みなさんはお正月をどのように過ごしましたか?

欧米ではお正月はクリスマスのおまけのようなもので、それほど重要なものではありません。
しかし、日本人にとっては一年で最も重要な行事です。
日本人は普段から縁起を担ぐことが好きな民族ですが、とりわけその特徴がいかんなく発揮されるお正月には、あちらこちらで縁起担ぎのオンパレードが目につきます。

それは大晦日から始まります。

大晦日の夜、私たちは夕食もしくは夜食に「年越し蕎麦」を食べますね。

では、なぜ大晦日に蕎麦を食べるのでしょうか。
 
年越し蕎麦

それは、他の麺類と比べるとコシがなく柔らかいために「切れやすい」という蕎麦の特性から、その年の災いや悪いものを「断ち切る」ためで、
さらに、麺類は長いことから、長く生きられるようにという長寿の願いも込められています。

元旦の朝には、食卓の上に重箱が並びます。


豪華なお弁当のようなその箱を開けると、多種多様で彩り鮮やかな料理が敷き詰められています。
お節料理

そう、お節料理です。
中に入っているものは、地方や家庭によって違いますが、縁起のよいものが多く入れられます。
例えば「海老」は、その形から、背が曲がり、髭が長く生えるまで長く生きられるようにという願いが込められています。
海老

お節料理の代名詞的な存在でもある「数の子」は、子宝に恵まれるように。

数の子

昆布は「こぶ」とも読むことから、「よろこぶ」とかけられ、新年が喜びの多い年となるように。

昆布

縁起ものには、このような「言葉遊び」がよく取り入れられ、縁起のよい言葉と同じ、もしくは似ている音を持つものも縁起のよいものとされます。


縁起担ぎは料理だけではなく、飾りものにも表れます。

一番多く目にするのは、玄関のドアに飾る「注連(しめ)飾り」。

注連飾り
  
日本には、古来より、お正月に「年神様」という新年の神様が各家庭にやって来るという言い伝えがあります。

年神様は、サンタさんのようなもので、プレゼントの詰まった袋こそ持っていませんが、幸運をもたらしてくれます。

注連飾りは、その年神様に迷わずに家に来て頂くための目印、あるいは年神様が訪れるに相応しい家だという証として飾られます。

この飾りものは、「ユズリハ」「ウラジロ」「ダイダイ」という3つの縁起もので作られます。

常緑樹、つまり一年中葉が枯れることのないウラジロは、長寿を呼び込む縁起物。

ユズリハは、その名のとおり、新しい葉が出てきて初めて古い葉が落ちていくことから、家系を代々譲っていく様子に見立てたもので、家系の繁栄を表しています。

ダイダイ(橙)は、だいだい(代々)にかかっており、その家が「代々」栄えるよう願いが込められています。

また、注連飾りには、紙垂(しで)という特殊な切り方と折り方をした紙が添えられます。

紙垂

普段は神社の境内によく見られるこの紙は、その形からもわかるとおり、「稲妻」を表しており、悪いものを追い払うための魔除けの効果があるとされます。

また、古くから雷が落ちると豊作になると信じられていたため、豊かさをもたらしてくれる縁起ものでもあります。


飾りものとしては、門の左右に一対ずつ置かれる「門松」もあります。

門松

これも注連飾りと同様に、年神様を招くための目印です。

門松は、常緑樹で冬でも青々としていることから若さと長寿の象徴として祝いの場に頻繁に登場する「松」と「竹」で作られます。

日本は長寿大国で、WHO(世界保健機関)の調査によると、日本人の平均寿命は84歳で世界一だそうです。

発展した医療のおかげか、はたまた縁起担ぎの効果なのか。

一方で、出生率の低下により少子化問題が深刻化しています。
数の子をいっぱい食べなければ。

2015年がみなさんにとって素晴らしい年となりますように。

また、本年も当ブログのご愛読の程をどうぞよろしくお願いいたします。


山田 剛士 

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