2012年11月3日土曜日

靴下の、泡に映った、母の労


さっき気づいた…。

うちの台所の蛇口、青い方に回したら熱いお湯出て、赤い方に回したら冷たい水出る。

こんなことあり得る!?

いやいや欠陥もええとこやでこれ!!

あれかな?お茶目なフランス人の悪戯なんかな?


あ、どうも欠陥住宅在住の山田です。


僕は学生寮に住んでいて、部屋にキッチンもトイレもシャワーも付いています。

洗濯機だけは共同です。


洗濯をしようと共同ランドリーに行きました。

しかし洗濯機は動かない。

壁の貼り紙には「洗濯をするにはmoneoが必要です」って書いてある。

moneoとは、10年以上前に登場したのに全く普及していないクレジットカードの一種。

やれやれ。

銀行で申し込みをして、一週間後にmoneoが届きました。

これで洗濯できる。

共同ランドリーに行き、moneoを機械に挿入しました。

しかし機械は受け付けない。

なんでやねん。断念。

フランス人の友達にその話をすると…

「ちゃんとmoneoのチャージした!?」

「え…!?これチャージ式なん!?」

「うん。」

なるほど。

銀行に行って、チャージ機にmoneoを挿入しました。

しかしチャージ機は受け付けない。

銀行のお姉さんに聞くと、「え?できないの?私もなぜかわからないわ。」

と、お手上げでお蔵入り。

結局使えへんのかい!!


というわけで、毎日服を手洗いしています。

穴の開いた靴下をゴシゴシしながら、遠き日の故郷の母を思い出します。

思えば、サッカー少年だった僕が毎日毎日ドロドロに汚して帰る靴下やユニフォームを

母は手洗いしてくれていました。

そのまま洗濯機に入れれば泥が詰まってしまうし、泥汚れは落ちにくいからでしょう。

しかも、僕だけではなく弟二人もサッカーをしていたし、妹もお転婆だったし、

その手洗いの量は想像がつきません。

僕がここまで来るのには、陰に偉大な母の苦労があったのだと、やっと気づきました。

洗濯機が使えないのは、

「ありがとう」もろくに言わなかった過去の自分に対する罰なのかもしれません。


便利さの中では気づかないそのありがたさは、不便さを経験することで気づくことができます。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

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