2014年7月14日月曜日

シメシメと、隣のメシで、味シメる。

今、世界中で日本料理がブームとなっています。

「寿司」が世界の共通語となり、「和食」はユネスコの無形文化遺産となりました。

しかし、外国人は本当の日本料理を知っているのでしょうか。


フランスには、1,500件以上の日本料理店があります。

しかし、そのうちの90%は日本人以外の中国人、韓国人、あるいは東南アジア人によって経営されています。

自分のお国の料理で勝負したらええのにと思うのですが、「日本料理」という看板を掲げているだけで客が入ってくるので、そこに味を占めているわけです。

その特徴は、「寿司」と「焼鳥」がメインになっていること。

寿司であればある程度高めに金額設定できるし、彼らは「米を丸めて刺身を乗っけるだけだから簡単に作れる」と思っている。

だからシャリが何より不味い。そして、シャリが不味い寿司は上に何を乗っけても不味い。

焼き鳥も、「串に刺して焼くだけ」と比較的簡単に作られ、またフランスにはbrochetteという串焼料理があってフランス人にも受け入れ易いため、寿司とセットになっているのでしょう。

「日本料理」は寿司と焼鳥だけではないし、そもそも日本料理の特徴は、寿司屋、焼鳥屋、うどん屋、ラーメン屋、お好み焼屋などなどそれぞれの料理によって「専門店」があり、さらにそれぞれの料理でバラエティーに富んだ様々な種類があることで、「日本料理」と一言で括れるものでもありません。


さて、パリの街中をぶらりしていると、「エセ日本料理店」のもう一つの特徴を見つけてしまいました。

実は、多くの店名が日本の都市の名前になっているのです。

きりたんぽ、ございません。
 
らっきょう、ございません。
 
ひつまぶし、ございません。
 
梅干し、ございません。
 
ゴーヤチャンプルー、ございません。
 
 
さらに、日本の都市名を店名にしているくらいなら可愛いもんだと思ってしまったのがこのお店。
 
キムチ、ございます。
完全にナメてるやん。


変わってこちらはフランス人経営の回転寿司。

「びっクラぽん」はございません。
 
まぐろと並んで、「苺の巻き寿司チョコソース添え」が流れてきました。
 
さすがに恐ろしくて手がつけられませんでした。
 
 
さて、デリバリーの代名詞といえば日本もフランスもピザですが、

フランスでは「デリバリー寿司」がその座を奪わんばかりに増えています。
 

 
僕が住んでいた家のポストにも、毎日のごとくデリバリー寿司店のチラシが入っていました。



ある日、夜遅くに帰ってきて、近所のお店がどこも閉まっているので、寿司の出前でも頼もうと電話してみました。


電話の向こうで、中国語なまりのフランス語が聞こえました。

「はい、もしもし」

ちょっと声が大きいので、電話を耳から少し離します。

「すみません、注文したいんですけど。」

「あ、もう閉店しました。」

「あれ?チラシには22時閉店ってあるけど…まだ21時過ぎですよね?」

「あぁ今日はお客さん来ないからもう閉めました。」

「は!?」

いやいやいやいや!今、ここに、いるんですけど!客!

フランスクオリティなのか、はたまた中国人クオリティなのか…。


彼らには、日本料理店の醍醐味とも言える「おもてなし」の精神すら全くありません。


多くのフランス人は、日本人と中国人、韓国人の区別がつきません。

なので、日本料理店で働いている人は日本人、日本料理店で出されるものは本物の日本料理だと思っています。

それでもフランス人はこれらのエセ日本料理を「美味しい」と言って食べています。
 
だから一人でも多くのフランス人に日本に来て、本物の日本料理を発見して欲しいのです。

きっと、「自分たちが今までフランスで食べていたものは何だったのか?」と目を丸くし、「本物の日本料理はなんて美味しいのだ」と舌を巻くに違いありません。
 
 
 
山田 剛士

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