2014年3月27日木曜日

ガキんちょの、思い出覚ます、肉団子。

あれはもう20年も前、僕が小学校1年生の頃でした。

バレンタインデーの日。

女の子が好きな男の子にチョコレートを贈る日だと、おぼろげながらも知っていた僕は、

幼いながらも恋心を抱いていたMちゃんからのチョコレートを待っていました。

しかし、Mちゃんからは何ももらえず、代わりにインド人のSちゃんが手作りクッキーをくれました。

そして、ホワイトデーの日。

バレンタインデーのお返しやから渡さなあかんでと、母親に飴ちゃんの袋をランドセルに突っ込まれました。

しかし、どうも渡す気になれなかった僕は、その日の晩に、母親に襟首をつかまれてインド人のSちゃんの家まで飴ちゃんを届ける羽目になりました。

翌日、学校に行くと、何やら女の子たちがざわざわ騒いでいました。

そこに、Mちゃんが教室に入って来ました。

すると、SちゃんがMちゃんのところに走っていき、大きな声でこう言いました。

「Mちゃ~ん!おはよ!ねぇねぇ聞いて!たけしくんが昨日ホワイトデーにキャンディーくれたの!」

なんでやねん!なんで言うねん!なんでMちゃんに言うね~ん!!

山田少年、撃沈。

甘酸っぱい初恋と失恋の思い出でした。

あ、どうも、山田です。

思えば、あれが僕にとって初めての国際交流だったのかもしれません。


さて、日仏交流コーディネーターとしての任務が終わり、フランスから帰国してからもう半年近くが経とうとしています。

現在、僕は兵庫県国際交流協会に勤務していますが、フランスでの仕事にはまだ続きがあります。


フランスでの任務の一つに現地の小学校での日本文化体験授業というものがありました。

グレッツ・アルマンヴィリエ市という、人口わずか8千人ほどの小さな町にある、ジョルジュ・トラヴェール小学校で、3年生を対象に授業を行なっていました。

パワーポイントを使った日本の紹介、紙芝居の読み聞かせ、お弁当作り、折り紙などの体験授業をしていました。

神戸の街を紹介

紙芝居「かちかちやま」

フランスの子供たちが作ったお弁当

また、僕の前任の方のご尽力もあり、僕が現地に赴任した年から、

このジョルジュ・トラヴェール小学校と神戸市の御影小学校との間で交流が始まりました。

両校の三年生の間で、作品などを贈り合うことで交流し、僕の授業の中でも贈り物の作品を製作したりしました。

ジョルジュ・トラヴェール小学校から贈られた折り紙を取り入れた作品


御影小学校から贈られた書道作品


帰国後、今度は御影小学校で、フランス文化についての授業をすることになりました。

ジョルジュ・トラヴェール小学校と交流をしている御影小学校の3年生4クラスを回って、

フランスがどんな国なのか、フランスの子供たちがどんな生活をしているのかなどについてお話しました。





授業の後は、子供たちと一緒に給食をいただきました。

給食なんて小学校卒業ぶりなので15年ぶりでした。

この日の献立はご飯、肉団子、野菜スープ、ふりかけ、ミルク

フランスと日本の両国の小学校で授業をしてみて感じたのは、「教育」というものがその国の国民性に与える影響の大きさでした。

個性を重んじるフランスでは、「自分がどのように考えるか、自分がどのようにしたいか」を表現することに重きを置かれます。

そのため、フランス人は、自分の考えや主張をはっきりと述べる事ができるのでしょう。

一方で日本では、「他人と協力することや、他人を思いやること」に重きが置かれます。

それは、日本の小学校にあってフランスの小学校にないものを挙げてみればハッキリします。

組体操、体操服、前へ習え、運動会、掃除の時間、合唱コンクール、日直、そして給食…どれも他人と協力しなければできないことです。

日本とフランス、どちらが正しいなどという話ではありません。

幼い時に異国の文化や習慣を学ぶことによって、

「こういう世界があるんだ」「外国と日本は違うんだ」といったことを理解することが大切なのではないでしょうか。

「違い」があるからこそ、国際交流というものはおもしろいのです。


山田 剛士

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