迷子なのに、迷子の外国人に道を聞かれました。
「わからへんなんて不親切なこと言えへん。ここぞおもてなしや!」と思い、
「あぁここね。知ってるよ」と口が滑りました。
通りすがりのおじさんに「これってあっちですよね?」と、あくまでも「知ってるで。俺、ここ知ってるけど、一応念のためおじさんに確認しとくわ」っていうスタンスで聞きました。
そしたらおじさんが無言で真逆の方向を指さしました。
東京のど真ん中で、人ごみに埋もれた小さな日本人が、赤っ恥かいて立ちすくんでいます。
どうも山田です。
皆さん、ご無沙汰しております。
7年ほど愛用していたパソコンがお逝きになられたため、全然更新ができていませんでした。
さて、3月に東京に行ってきました。
今回東京に行ったのは、3月4日から7日にかけて幕張メッセで開催された日本最大級の食料品展示会「FOODEX JAPAN」に出展するフランスの企業「ヴィ・ド・シャトー社」の通訳をするためでした。
僕がフランスで勤務していた「セーヌ・エ・マルヌ県経済振興公社」は、セーヌ・エ・マルヌ県内の企業等を支援する会社であったため、僕は大学での日本文化講義や小学校での日本文化体験授業の傍ら、日本への進出を希望する企業等への支援として、翻訳などの仕事もしていました。
今回通訳を担当することになったこの「ヴィ・ド・シャトー社」は、僕がホームページやカタログの翻訳を担当した企業の一つでした。
日仏交流コーディネーターとしての任務が終わり、帰国した現在でも、こうしてセーヌ・エ・マルヌ県の仕事ができることは大きな喜びです。
ヴィ・ド・シャトー社は、フランス各地にある様々な食料品メーカーや生産業者の商品を海外に輸出販売する会社で、チョコレート、ビスケット、キャンディー、マスタード、フォアグラ、ハチミツ、ジャム、岩塩、BIO食品、ワイン、ビール、リキュールなどなど、取り扱う商品は多岐にわたります。展示会前日に会場入りし、来日したヴィ・ド・シャトー社代表のコルレ氏と再会し、大量の展示商品やサンプル商品を並べるなどブースの設営にかかりました。
ヴィ・ド・シャトー社の展示ブース |
セーヌ・エ・マルヌ県経済振興公社からの支援を示すプレート |
翌日から、いよいよ4日間の展示会が始まりました。
連日、多くの来場者の方々にご訪問いただき、あっという間に時が過ぎていきました。
珍しいフランスのビール |
僕は、通訳業務の他に、来場者にサンプルのお菓子を配ったり、企業説明や商品説明をしてまわったりもしました。
裏でこっそりサンプル用のお菓子をつまみ食いしてたのは内緒の話です。
と思ったら、コルレ氏は表で堂々とつまみ食いしてました。さすがはフランス人。
氏曰く、「どんな商品か食べてみなきゃお客さんに説明できないでしょ」とのこと。
なるほど。その言い訳もまたフランス人らしく論理的。
輸入業者、商社、小売店など、多くの日本企業と交渉することができ、コルレ氏も満足して帰国されました。
日本には、中華料理、韓国料理、イタリア料理、フランス料理、インド料理などなど、世界中から料理や食料品が入ってきます。
さらに、外国から入ってきた料理を自分たちのの舌に合うように改良し、新しいものを作ってしまう。
ラーメン、天ぷら、オムライス、とんかつなどなど数えればキリがありません。
それでいて、お米を中心とした独自の食文化を守り続けています。
また、次から次へと流行が変化し、新しい食品が発見され開発されていきます。
これほど食のバラエティーに富んだ国は他になく、 日本はまさに「食のるつぼ」とも言える国なのではないかと思うのです。
すなわち、日本ほど食料品市場において格好の舞台は他にないでしょう。
今後、ヴィ・ド・シャトー社がその日本の市場において成功することを願っています。
さて、展示会終了後は、せっかく東京に来たので、ちょっと観光したり、友達と会ったりもしました。
二人で歩いてた時、龍樹が黙って携帯の画像を見せてきました。
夜やったし、歩きながらだったので画像がよく見えず、頭になんか巻いた男の人だというのだけわかりました。
「誰これ?さかなくん?」と言ってしまったが後の祭り。
実は、画像ではなく、龍樹のお父さんとのTV電話だったのです。
おっちゃんが「ぎょぎょぎょ!」と言ったたのはもはや言わずもがなな話。
おっちゃん、ごめんなさい(笑)
続いては、エコール・ポリテクニック(日本でいう東大)出身で、現在はフランスの某銀行の東京支社に出張しているフランクことキキ。
彼とは、お互いがまだ学生だった時に京都で出会いました。
日本に研修に来ていたエコール・ポリテクニックの学生と、京都でフランス語を学ぶ学生との交流会があり、そこで意気投合しました。
あれから5年が経ち、いまだに交流は続いています。
当時はやんちゃ坊主だった彼も、なんだか大人になって雰囲気が落ち着いてきた感じがします。
次はいつどこで再会できるのか、今から楽しみです。
全然関係ない龍樹を連れていきましたが、温かく歓迎してくれた美男美女のお二人。
ちなみにこの写真、トマは腰を屈めていますが、僕は背伸びをしています。
みんなで原宿のお洒落カフェでランチをした後、原宿ぶらり散歩をしました。
二人が居なければ、碁盤の目になった道で育った京都人の龍樹と、方角は山で判断する神戸っ子の僕は迷子になっていたことでしょう。
しかし、あやかちゃんは北海道出身の方向音痴で、実のところ全ての道案内をしてくれたのはフランス人のトマでした(笑)
関西からは遠い東京にいて、めったに会えない人たちに会えて本当によかった。
こういう出会いや再会があるから旅はいいですね。
さあ、次はどの街に行こうかな…。
山田 剛士
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