2013年6月19日水曜日

気を抜くと、何かが起こる、パリの地下鉄。

しょうもない戯言からお聞きください。

電車にて…。


四人掛けシートの窓側に座りました。

後から入ってきた知らないおじさんが通路側、僕の対角線上に座りました。

僕の前にもおじさんの前にも人はいません。

おじさんはお疲れなのでしょうか、前の席に足をのっけてだいぶゆったりと座っています。

容姿、格好から察するに彼はフランス人ではなく、外国人観光客のようです。

次の駅に着いて、一人のおばさんが入って来て、おじさんの前の席(つまり僕の隣)に座ろうとしました。

おばさんが座ろうとしたので、おじさんは前の席に伸ばしていた足をおろしたのですが、その瞬間…

おばさんがものすごく怒りだしました。

僕はイヤホンで音楽を聞いてたのでおばさんが何と言ったのかわからなかったんですが、

おそらく「足伸ばしてたら座れへんやろが!」的なことやろうと思います。

おじさんは、えらい不機嫌そうな、というかいじけた顔になりました。

おばさんは、なぜか僕に喋りかけてきました。

イヤホンをとって、「何か言いました?」と聞くと、

「こんなとこに足上げてちゃ座れないわよねぇ?どう思うよ、若いの。」

「あ、あぁ、そうっすね。」

おばさんはどうもこのおじさんがお気に召さない様子でプンプンしていました。

次の瞬間、どこからかなんとも言えない音が聞こえました。

「ブーーーー!!」

あれがおならの音だったのかどうかはわかりませんが、明らかに聞こえてきたのは後方からでした。

しかし、おばさんは前に座るおじさんの顔をキリっと睨みつけます。

いかにも、「あんた今屁ぇこいたやろぉ!」とでも言いたそうな顔で。

そして、おばさんがおじさんに向かって口を開きました。

「アー ユー ピーター!?」

ん?何でいきなり名前聞いたんや?しかもなんでピーターってわかるねん?

後でよく考えてみたら、英語のピーター(Peter)と

フランス語で「おならをする」という意味の「Peter(発音はペテ)」は同じ綴りなんですね。

おそらく、「あんたおならした?」と聞きたかったが、「おならをする」という英語がわからず、

フランス語のPeterを無理やり英語読みにしたのでしょう。

この時点でけっこう奇跡的なやり取りなのですが、おじさんが返した答えに耳を疑いました。

おばさんに名前を聞かれた(と思った)おじさんは、こう言いました。

「アイ アム ベンジョマン!!」

え!?ベンジョマン!?便所マン!?ベン・ジョマンかな?

いや待てよ。便所マン…ベンジョマン…ベンジャマン…あ!ベンジャミンか!!

…っていう電車内での一コマでした。

お食事中の皆様、大変失礼いたしました。

どうも山田です。

やっとフランスも暖かくなってきて、半袖で過ごせるようになってきました。

気温が暖かくなると心なしか気分もウキウキしてくるものですね。

さて先日、カリスまことにお呼び出しされてパリまで出たところ、Mさんという女性を紹介されました。

まことのお友達だというMさんは日本から旅行で来ているとのことでした。

会って早々、「有名人に会ってるみたい!」とか言い出すので、

「はて。このお方は一体僕を誰と勘違いしてはるんやろうか」と思いましたが、

よくよく聞くと、僕のこのブログをいつも欠かさず見ていただいてるとのことでした。

僕のブログを見て、パリに来たらぜひ会ってみたいと思ってくれてたそうです。

じゃあ「僕のファン1号に認定しますよ」と言うと、「いや、それはいい」と丁重にお断りされました。

上げておいて、調子乗ったところで…落とす。

案の定、Mさんは関西人でした。

まこと行きつけのお洒落なワインバーで、場違いにもビールを注文した僕は、

「ブログはおもしろいのに実際は全然おもしろくないやん」と思われたくないがためにとにかく必死でした。

いきなり「なんか面白い話して」って言われるのと同じぐらい高めのハードルでしたが、なんやかんや色んな話で盛り上がりました。

最後に、「今日の話をまたブログに載せるんで写真撮りましょう」と言うと、

まさかの顔出しNGだそうで…代わりに僕の写真を撮ってくれました。


ってこれじゃ全然意味ないやん。


いやぁそれにしても僕の知らないところで、このブログは色んな人に読まれてるんですね。

ちなみに、ブログの管理画面でアクセス数がわかるのですが、

このブログを書き始めて8か月ちょっと…お陰様でアクセス数が1万2千件を超えました!!

皆さん、ありがとうございます!!

さらに、どこの国からアクセスされてるかを解析することもできて…


日本、フランスからのアクセスが多いのはもちろんなのですが、

それらを除けば、なぜかアメリカからのアクセスが飛び抜けて多い。

その後は、ロシア、ドイツ、トルコ、スイス、イギリスと続いて…

一番気になるのが「ラトビア」。

僕は昔から地図を見るのが好きだったので、ラトビアの位置ぐらいはわかりますが、

それ以外は何一つとしてイメージがない、本当に未知の国です。

そんな国で一体どんな人がこのブログを見てくれているのでしょうか。

現地在住の日本人なのか、日本語が読める現地の人なのか。

ちょっと僕の好奇心がうずいております。

さて、そこで一つ提案というかお願いというか、ただの思いつきなんですが…

日本、フランス以外の国からこのブログをご覧になられている方!!

もしよろしければ、このブログのコメント欄に何かコメントを残していただけませんか。

どこに住んでいらっしゃるのか、何をしていらっしゃるのか、などなど何でも構いません。

たくさんのコメントお待ちしています!!

僕のこちらでの任務もそろそろカウントダウンに入ろうかという時期に来ましたが、

このブログで書きたいことがまだまだ山のようにあるし、残りの日々でまた色んなことが起こるでしょう。

ちょいと更新頻度を上げて突っ走りたいと思いますので、今後ともごひいき下さい。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年6月13日木曜日

ツッコミが、飛び交うバリは、おもしろい。

世界中にあるマクドナルド。

ビックマックの値段でその国の物価の高さがわかるなんて言いますが、

僕はマクドナルドでその国の「お国柄」なんかもわかるんちゃうやろかと思っています。

かつて日本のマクドナルドのメニューには「スマイル 0円」というものがありました。

現在はもうなくなりましたが、これはまさに日本のお国柄を表した日本だけのものでした。

ちなみにフランスのマクドナルドの店員さんには笑顔などほとんどありません。

お客さんの目の前でジュースをこぼした店員さんは笑っていましたが。

しかも「ごめんなさい」も「失礼しました」もなく、そのままお客さんに差し出してました。

この通り、フランスのマクドナルドは一言でいうと「雑」です。

今日はそんなフランスのマクドナルドに一言ツッコませてください。

まずは下の写真を。

いっぱい入れてくれるんはええんやけども…。

せめて拭いてや!!



ベトベトになった手で左のハンバーガーの箱を開けると、レタスが散乱していました。

あきれて写真を撮るのも嫌になりました。

続いて、こんなのもありました。

喉カラカラの状態でオレンジジュースを注文。

ストローを挿していざ飲もうとすると…。



飲めへんやん!!

どうなってんねんこのストロー!!

あれかな?ガリガリ君でいうところの当たりみたいなもんかな?

いやいや、2本目とか要らんからこの1本をしっかり飲ませてくれよ。

仕方なしに蓋を開けて飲んだら案の定めっちゃこぼれました。

Lサイズにするんやなかった。ってそういう問題ではない。

日本では、「お客様は神様」なんて言葉がありますが、こっちでは基本的に客と店員は対等です。

というかむしろ店員の方が偉そうな時すらあります。

ただ、こういう日本にはない「刺激」というか、「なんでやねん!!」っていうツッコミどころがいっぱいあるので、フランスでの生活はおもしろいです。

僕も根っからの関西人ですからね。

そういや関西人で思い出しましたが、先日…

「パリの関西人を集めて飲み会をしよう!」ということで、第一回「関西人会」が開催されました。

僕はこの会の発案者で幹事のまことに誘われて行ったんですが…まこと香川県出身やん!!(笑)

で、12人ぐらい集まったんですが、そこで奇跡的な出会いが…。

僕の隣にイケメンのお兄さんが座りました。

オリヴィエさんです。


日仏のハーフで、大学までずっと神戸で育ったそうです。

同郷ということで話が盛り上がり、よくよく話を聞いていると…

僕が中学生時代に所属していた神戸市西区のサッカークラブ「FC西神」の卒業生でした!!

つまり僕の先輩やったんです!!

歳は5つほど離れているんで一緒にプレーしたことも面識もなかったんですが、

僕にとってFC西神は青春時代を過ごした本当に大切なクラブで、

そこの先輩とこんなところで出会えたことがむちゃくちゃ嬉しくて…。

まさかの「FC西神あるある」で盛り上がりました。

僕は本当に人見知りで、こういう初めての人ばかりの場ではあんまり喋ったりしないんですが、

テンションがあがってしまい、気づけば関西弁で陽気にお喋りしていたようです。

何の話をしたのかすらよく覚えてないんですが、みんなに笑っていただけたのは覚えています。

ボケて、ツッコまれて、ボケられて、ツッコんでのこのやり取りがたまらなく楽しく、

「なんでやねん」の響きが心地よい夜でした。



日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年6月10日月曜日

走り漕ぎ、つながるバトンと、チームの輪。

先週、企業対抗トライアスロン大会なるものがあり、僕が勤務するセーヌ・エ・マルヌ経済振興公社(通称SMD)もチームを作って参加するとのことで、応援に行ってきました。

競技は4人1組のリレー形式で行なわれ、1人がマラソン、1人が自転車、2人がカヌーで出場します。

SMDチームの出場者は、エロディ、アロルド、ロマリック、ポリーヌの4人。



この大会のために、おそろいのTシャツをわざわざ作りました。

今じゃ僕のパジャマになっているのは内緒の話。

年に一度の大イベントらしく、みんないつも以上にテンションが高く・・・

なんでか知らんけどめっちゃチューされました(笑)




そこに颯爽と現れたのは…



我が社ののナンバー2、局長のフランソワ・グザヴィエ。

青く晴れた空、緑の映える芝、ピンクが似合う局長。

絵になります。

これで企業イメージもアップ間違いなし。


さて、そんなこんなで競技がスタート。

まずはマラソン。




SMDチームのマラソン走者を担当するのは、スポーツ好きで、毎週末のランニングを欠かさないロマリックです。




応援に手を振って応えてくれたけど、残念ながらピンボケ。




なかなかの好タイムで次の自転車走者にバトンを繋げたロマリック。

自転車走者はアロルド。




その後を追いかけるバナナ。




そして、後で撮った写真を見返していたらこんな決定的瞬間を収めていました。





ユニフォームの隙間からのぞく何やら怪しげな黒いバンド…

こ、これが、最近流行ってるとか流行ってないとかで噂のメンズブラか!?


自転車走者からバトンを受けるのはアンカーのカヌー走者。

バトンを受け取ったエロディとポリーヌが川岸に向け走ります。




逃げるサンタクロースと…




それを追うバナナ。




川岸に着いたらカヌー。




結果、何位やったかは忘れましたが、なかなかの好成績でゴールしました。




競技終了後は、場所を移して表彰式を兼ねた食事会が行われました。

食前酒にシャンパン、前菜にフォアグラ、メインに鴨肉、食後にはワインとチーズ、

なかなか豪勢な食事が出てきましたが、みんなお疲れモード(笑)

さっきまであんなにはしゃいでたのに…。

数人が20時を指す時計の針を示しながら「いつもならもうこの時間寝てるよ!」ってウダウダ言いだした。

絶対嘘やろ。

そんな時でした。

デザートが出てきて、もうじき宴もたけなわやろかぐらいのタイミングで、司会の人が突然切り出しました。

「この中に今日お誕生日を迎える方がいます!」

おっ!誰や誰や!?

「SMDのローズマリーです!おめでとう!!」

SMDのテーブルは騒然としました。

「SMDのローズマリー?誰や?そんなやつおらへんぞ?」

「俺のことかな?」とロマリックがちょっと恥ずかしそうに手を挙げました。

ローズマリーではなくロマリックでした。

みんなこの日一番笑いました。




おめでとう、ローズマリー。


山田 剛士

2013年6月4日火曜日

異国の地、音が響いて、繋げる文化。

先日、fnac(日本で言うところのタワレコ)でCDを2枚買いました。



一枚はアメリカのロックバンド「FALL OUT BOY」のアルバム。

もう一枚は、「KENY ARKANA(ケニー・アルカナ)」というフランス人女性ラッパーのアルバムです。

CDをレジに持って行った際の店員のお姉さんの一言に僕は驚きました。

「私、KENY ARKANA嫌いなのよね~」って…。

お客さんが買う商品にケチをつけるやなんて日本やったらありえませんよね。

でも、これがフランスなんです(笑)

普通ならお客さんもムスッとするところなんでしょうが、

あくまで心の声を正直に出してしまってるだけなんで、言い方がすごくフレンドリーで棘がない。

それでもってそのお姉さんがすごい可愛かったもんやから全て許してしまいました。

お姉さん、最後は「まぁ好みなんて人それぞれよね」って一人で悟ってました。

お姉さんに一刀両断されてしまったKENY ARKANAは、マルセイユ出身のラッパーで、

メディアにはほとんど露出がないんですが、若者を中心に絶大な人気があります。

僕もあんまりHip HopとかRapとか聞く方じゃないんですけど、この人の歌は本当にカッコいい。

Rapなんで何言うてるんかあんまわかんないんですけどね(笑)

Hip HopやRapが好きな方はもちろん、そうでない方も、一度You Tubeとかで聞いてみてください。

やっぱり異国に居れば、その国の音楽は自然と耳に入ってくるし、

新しい音楽を発見するのは楽しいです。


さて、音楽ネタをもう一つ。


昨日、友達のギヨームと一緒に、

ヨーロッパツアーのために日本から来仏しているバンドのパリ公演に行って参りました。




そのバンドとは、僕が大好きな邦楽バンドのひとつ「ASIAN KUNG-FU GENERATION」。


ライブ開始予定の1時間30分前に、会場であるライブハウス「Bataclan」に到着。

すでに長蛇の列ができていました。


ライブ前の雰囲気はこんな感じでした。



写真を見てもらってもわかるかと思いますが、8割方がフランス人でした。

日本好きのオタク的な人が多いのかなと思っていましたが、ほとんどが普通のフランス人でした。

ちょっと前に「きゃりーぱみゅぱみゅ」がフランス公演をした際に、

「ライブがすごい盛り上がりだった」とか、「テレビ番組にも出たりしてフランスでも大人気だ」

とかっていうニュースが出ていましたが、実際のところ(少なくとも僕が感じる限りは)、

きゃりーぱみゅぱみゅを知っているフランス人なんてほとんどいません。

しかし、アジカン(Asian Kung-Fu Generationの通称)は別で、結構知っている人が多い。

というのも、アジカンの曲は「ナルト」、「鋼の錬金術師」、「BLEACH」など、

フランスでもすごく人気のあるアニメの主題歌となっているからなんです。

アニメを通してアジカンを知り、そこから好きになったりする人が多いようです。

アニメという文化から音楽という文化へと繋がっていく。

今、フランスでは日本の料理、漫画、そしてアニメなんかが流行していますが、

これからは日本の音楽が流行するようになるかもしれませんね。


さて、ライブはというと最高に盛り上がりました。

最初は僕もギヨームと一緒に真ん中の辺で観ていたんですが、

途中からテンションが自分の中の限界を超えてしまい、いつの間にか一番前の方にいてました。

小さいとああいうところでも身動きが取れるから便利です(笑)

前の方に行ってビックリしたのが、70歳ぐらいの普通のおじいちゃんが若者に混じってノリノリでジャンプしていたことです。

それから、ライブとかって曲の途中でボーカルがわざと歌わずにお客さんに歌わすみたいなのあるでしょ。

そこでフランス人たちが普通に歌えてて大合唱になったのがびっくりでした。

拍手喝采でライブは終了。

終演後、迷子になっていた僕と再会したギヨームの手には、

ゴッチ(ボーカルの後藤正文の愛称)が客席に投げ入れたピックが!


ご満悦のギヨームでした。

たとえ言葉がわからずとも、音楽は人を繋げるんやなぁと感じました。

いやぁ音楽っていいな。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士




にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村